1500℃超級ガスタービンシステム用高圧還元燃焼器の開発研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05555202
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 新井 紀男 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 教授 (40089842)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小林 敬幸 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助手 (90242883) ; 寺前 紀夫 東北大学, 理学部, 教授 (70114569)
• Keywords: ガスタービン / 燃焼器 / C / Cコンポジット / 高温 / 高圧 / メタン / NO_X

Research Abstract

1500℃超級高温ガスタービンの開発を目的として、タービン材料として優れた高温強度を示す炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)およびメタン-空気系の高温高圧還元燃焼を用いるシステムを提案し、本年度は、本燃焼方式の基礎的な結果について実験的検討を行った。
本実験において用いた小型燃焼器は、燃焼室全長486mm、内径20mm、燃焼ガス排出部には直径4mmのスロート部が設けてある。イグナイタはインジェクタ面より70mmの位置に取り付けた。燃焼室内温度は白金熱電対(Bタイプ)によって測定した。燃焼ガス組成はインジェクタ面から419mmの位置に設けたサンプリング部において採取し、TCDガスクロマトグラフによって分析した。
実験的検討の結果、燃焼器における燃焼範囲は低等量比域においては燃焼範囲はメタンの質量流量によらずほぼ一定であったが、メタンの質量流量が大きい領域においては高等量比側へ広がっており等量比1.7程度まで燃焼が可能であることが確認された。燃焼ガス組成は、等量比が1.0付近を境にしてH_2、COが生成すること、およびO_2は等量比1.1以上においてはほとんど生成していないことが解った。NO_X排出量に及ぼす等量比の影響については、NO_X排出量は等量比1付近で極大値をとるが、高等量比域においてはその排出量が抑制されることがわかった。本研究において提案するメタン-空気系の高温高圧還元燃焼システムにおいては、NO_Xの排出量を従来の空気過剰燃焼と比較して抑制できることがわかった。