1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05556028
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
服部 順昭 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90115915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 治郎 永大産業(株), 総合研究所, 主任研究員
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70151686)
安藤 恵介 東京農工大学, 農学部, 助手 (70262227)
喜多山 繁 東京農工大学, 農学部, 教授 (10026502)
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Keywords | レーザ加工 / CO_2レーザ / 木材 / 穴あけ / インサイジング / 耐朽性 / 複合化処理 / 樹脂複合化木材 |
Research Abstract |
当研究室で確立されたレーザインサイジング技術を用いて、平成7年度までに燃え難い無機質複合化木材・狂い難く腐り難い樹脂複合化木材及びアセチル化木材の開発を行う。2年目になる平成6年度は樹脂複合化木材を研究・開発した。その結果、次のようなことが明らかになった。 1.樹脂複合化木材を開発するために、対象樹種として、内装材に多用されるが注入性が悪いベイマツ心材と、辺材も注入性が悪いスプル-スを選定した。 2.2×4材の広い面(化粧面)に傷を付けずに複合化処理を施すために、焦点距離20吋のZnSe製レンズで、焦点はずし距離を-20mm、出力を1200W、照射時間を250msecという条件にすると、材の側面から幅方向に照射して、貫通穴のあくことが分かった。 3.単一穴からのフェノール樹脂の浸潤長を調べることは困難なので、広範囲のインサイジング密度でインサイジング行い、性能評価から最適インサイジング密度を求めることとした。インサイジングパターンは防腐剤の注入で用いたものを使用した。 4.インサイジング材とそれを施さない材に数平均分子量325のフェノール樹脂の10%溶液を減圧注入し、熱硬化させて、フェノール樹脂複合化木材を製造した。 5.含脂率はインサイジング密度の上昇と共に上がり、それに応じて抗膨潤能も上がったが、10〜15%の含脂率を得るには、ベイマツで5千個/m^2、スプル-スで3万個/m^2の密度が必要で、その場合でも抗膨潤能の目標の70%には30ポイント届かなかった。 6.耐朽性試験の結果、樹脂複合化処理材の重量減少率はインサイジング密度の増大と共に低下して耐朽性が増したが、密度5万5千個/m^2で5%と目標の3%に漸く近づいた。 7.以上の結果から、レーザインサイジングによって、寸法安定性と耐朽性を概ね満足するような樹脂複合化木材を製造できる可能性が示された。 しかし、今後さらに耐久性を上げる処理を工夫する必要もある。
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