1994 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型による親子鑑定のためのゲル内競合的再会合法
Project/Area Number |
05557031
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
玉置 嘉広 大分医科大学, 医学部, 教授 (20028377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
万年 和明 大分医科大学, 医学部, 助教授 (20145361)
福田 昌子 大分医科大学, 医学部, 助手 (00156788)
岸田 哲子 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50136793)
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Keywords | 競合的再会合 / サブトラクション / PCR / 親子鑑定 |
Research Abstract |
親子のトリオ及び無関係の男性のゲノムDNAをMseIで消化して断片化した。両親及び無関係の男性のDNA断片並びに子供のDNA断片の一部をfill-inによりビオチン標識した。子供の残りのDNA断片をfill-inしてアンカーを付加した。子供のこの二種類のDNA断片を、ストレプタビジンを固相化したマイクロチューブの中で混合し、熱変性後、55℃で1分間保温することによって縦列反復配列同士を優先的に会合させ、ストレプタビジンに捕捉させた後、チューブを洗浄した。捕捉された断片を、アンカーの配列に基づいてPCR増幅した。増幅産物をEcoRIで処理してアンカーを分離、除去した残りの一部を過剰の両親のDNA断片、または母及び無関係の男性のDNA断片と混合してアガロースゲル電気泳動し、アルカリ変性に続く中和の操作によってゲル内で競合的再会合をさせた。ゲルからDNA断片を回収し、Dynabeads-Stravidinと混合した。その上清をナイロン膜にドットして紫外線照射し、それを抗チミンダイマー抗体で検出することにより、DNA断片の有無を検査した。その結果、いずれの場合にもDNAは検出され、父子関係の存否を判定することはできなかった。その原因は、子供の一部のDNA断片同士が急速に再生してしまうことにある、と推測された。 そこで、子供のアンカーPCR産物を再PCRにによってジゴキシゲニン標識したものをプローブとして、母・父(または偽父)・子供のDNA制限酵素断片のSouthern blottingを行った結果、父子関係の存否を正しく判定することができ、ゲル内でサブトラクションを行うより簡単であった。液相でのサブトラクションによって、「高価な既成のDNAプローブを使用せずに親子鑑定をする」という最終目的は達成されたことになる。
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