1994 Fiscal Year Annual Research Report
大気微量成分サンプリング用バルーンカイトシステムの開発
Project/Area Number |
05558069
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 政彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (50228590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 賢 東京日進ジャバラ株式会社, 研究開発担当
今井 正人 トーテックス株式会社, 研究開発担当
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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Keywords | バルーンカイト / サンプリング / 大気微量成分 / 大気エアロゾル / 大気境界層 / 物質循環 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に試作した試験用小型バルーンカイトのテストを繰り返すなかで、実用に耐えうる低層観測用のバルーンカイトシステムの試作・野外における飛揚実験を行ない、新しいプラットホームとしての、可能性と問題点などの検討を行なった。 様々な材料の資料を収集し、必要に応じて試作などを行ない。各構成要素に適当な材料の選定を行なった。その結果、当初の計画をほとんど満足する材料の選定に成功した。それと同時に、実地テストの結果からは、バルーンカイト本体および係留用ロープの材料に関して、より軽くて現有のものと同等の強度を有する材料を求められることが明らかになった。とくに、係留ロープに利用できる、新しい材料の開発は、バルーンカイトの観測プラットホームとしての応用範囲を大きく広げる可能性があることが明らかになった。 試作された低層観測用バルーンカイトシステムを用いて飛揚実験を繰り返し、以下の成果を得た。 (1)観測機材を境界層内750mの高度まで飛揚し、大気観測に成功した。 (2)飛揚実験により、バルーンカイト構成要素の基本的な諸元が明らかにされた。 (3)低層用バルーンカイトの設計上、検討すべき事項が明らかになった。 さらに、大気境界層研究などの観測に応用する場合に、当初、計画していたシステムが弱風層の存在などにより、不適当な場合が生じることが明らかになった。このため、最終的に試作はできなかったが、あらゆる条件のもとで、安定的に大気下層の研究に対応可能なバルーンカイトシステムの発案をみた。
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