1993 Fiscal Year Annual Research Report
HIVおよびAIDSカウンセリングにおけるカウンセラー養成方法に関する研究
Project/Area Number |
05610109
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
兒玉 憲一 広島大学, 保健管理センター, 助教授 (10186702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一円 禎紀 広島大学, 保健管理センター, 助手 (80223080)
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Keywords | HIV感染者 / AIDS患者 / HIV / AIDSカウンセリング |
Research Abstract |
継続研究初年度の平成5年度の主な目的は、臨床心理士を対象とするHIV/AIDSカウンセリングの研修会を開催し、HIV/AIDSカウンセラーを養成すると共に、養成方法に関する研究を行うことであった。 幸い、日本心理臨床学会ワークショップ「エイズ・カウンリセング」《平成5年12月3日、那覇市、1日研修、参加者約80名)と、第1回日本エイズ・カウンセリング・ワークショプ(平成6年1月28-29日、小田原市、2日研修、参加者約120名)という全国規模の研修会を開催することができた。とくに、後者については、日本臨床心理士会と日本心理臨床学会教育研修委員会によって実行委員会が組織され、エイズ予防財団のからも経済的な支援が受けられ、本格的な研修会となった。ほとんどの都道府県から指導的な臨床心理士120名が参集したので、わが国のエイズ・カウンセリングのネットワークが一気に構築されるなど多大な成果を収めた。 臨床心理士対象のHIV/AIDSカウンセラーの養成方法に関して、上記の研修会で収集した資料から明らかになった主な結果は下記の通りである。 (1)医師、看護職などの医療従事者に比べて、臨床心理士のHIV/AIDSに関する知識は質量とも貧弱で、専門医による長時間の講義が不可欠である。 (2)感染者・患者の抱えている心理社会的な諸問題を認識するうえで、感染者本人による特別講演は非常に効果的である。 (3)臨床心理士にHIV/AIDSカウンセリングの技法の研修を行ううえで、他の医療従事者に有効なロールプレイ法はあまり効果的ではなく、むしろ感染者への援助事例を丹念に紹介する事例研究法の方が効果的である。
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