1994 Fiscal Year Annual Research Report
旧制中学校の校内保存表簿を史料とした生徒懲戒と管理の運用と実態に関する実証的研究
Project/Area Number |
05610220
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Research Institution | GAKUSHUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
斉藤 利彦 学習院大学, 文学部, 教授 (20178495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山谷 幸司 仙台大学, 体育学部, 講師 (50200704)
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Keywords | 旧制中学校 / 生徒懲戒 / 生徒管理 / 校内表簿 |
Research Abstract |
旧制中学校史に関する研究は、その制度や政策の解明が進展してきたことに比べ、教育や生徒指導の実態を明らかにした研究は、量的にいってもいまだ充分なものとはなっていない。こうした問題把握に立って、本研究は、生徒懲戒や生徒管理に関する基礎史料を発見し、それを分析することを課題としてきた。 そのため、第一に全国の明治期に創設された旧制中学校を前身とする高等学校に対し、旧制中学校時代の史料の保存状況を確認するアンケート調査を行った。約二百校から回答を得たが、その結果、生徒指導の実態に関する史料としては、「学校日誌」、「教務日誌」、「回議綴」、「稟議録」といった記録簿が重要な手がかりとなること。さらに、生徒懲戒関係の史料として、「生徒懲戒簿」「生徒懲戒録」等は当時の懲戒の実態を多面的に把握するうえで不可欠の史料であるということを確認した。 第二に、上記の調査校の中で、特に富山高校(旧制富山中学校)、金沢泉ケ丘高校(旧制金沢第一中学校)、高知追手前高校(旧制高知第一中学校)、徳島脇町高校(旧制脇町中学校)には、多くの「校内保存表簿」が残されており、それらを整理・分類し、生徒指導の背景となる、校内の教育指導全般にわたる基本史料の内容項目や件名の調査を行った。 第三に、その中でも、富山高校では、中学校創設以来の2500点に及ぶ史料が簿冊として保存されており、それらの集中的な調査・分析を行った。 現在、そうした調査をふまえ、基本史料の内容分類とその分析を行っている。
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