1993 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料中のケイ素の定量ならびに存在状態の解明-血清中のケイ素-
Project/Area Number |
05640685
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森田 秀芳 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30035555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 知子 徳島大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60204864)
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Keywords | ケイ素 / 血清 / ICP発光分析 / 腎機能 / クレアチニン |
Research Abstract |
平成5年度は、血清中のケイ素濃度と腎機能との関係を明らかにするために、腎機能の指標となる血清クレアチニン値と血清中のケイ素濃度の関係について検討を行った。 血清試料は、徳島大学医学部附属病院検査部からの「検査済み」となった検体(218例)と医療技術短期大学部の教官および学生からの検体(23例)を、それぞれトリクロロ酢酸と硝酸を用いて除蛋白操作を行い作成した。これら試料中のケイ素濃度をICP発光分光装置により定量した。一方、血清試料をそのクレアチニン値により、正常群と高値群に分類し、さらに高値群を濃度範囲によりG1〜G6の6段階に分類した。各群におけるケイ素濃度の平均値と、クレアチニン値との関係について検討を行った。なお、クレアチニン値の正常範囲は、徳島大学附属病院が用いている正常範囲(男性0.6〜1.4mg/dl、女性0.5〜1.1mg/dl)を使用した。正常群は94例でその平均クレアチニン値は0.89mg/dl、また高値群は147例で平均クレアチニン値は5.67mg/dlであった。 クレアチニン濃度の最も高いG6ではその平均値は11.8mg/dlで最も低いG1(平均値1.7mg/dl)の約7倍であった。ケイ素濃度についても同様にG6が最もその平均値が大きく6.0ppmで最も低いG1(平均値1.2ppm)の5倍であった。全体としては、血清中のクレアチニン濃度とケイ素濃度の間では、0.1%以下の危険率で有為な相関が認められ、腎機能と血清中のケイ素濃度が密接に関係していることが明らかになった。
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