1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640709
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Research Institution | FACULTY OF EDUCATION,GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山内 克典 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30021322)
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Keywords | アリ / 2型雄 / 繁殖行動 / アイソザイム / 巣内交尾 / 群集構造 |
Research Abstract |
1994年度は5、8、11月の3回、沖縄のフィールド調査を行ない、2型雄をもつアリ類の観察実験コロニーを採集した。これまでに以下の知見が得られた。 1.トビニセハリアリ小型無翅雄の繁殖行動の観察から、本雄においても大型無翅雄同様、巣内で互いに激しく戦うことが分かった。その結果、典型的には各巣は単雄複雌のハレムを形成する。大型無翅雄と小型無翅雄が同一巣に出現する場合は、それ等の間に戦いは見られず、前者はファイタ-、後者は雌ミミックと考えられた。 2.アシジロヒラフシアリについて、アイソザイム分析を行ない、コロニーの血縁度測定を試みた結果、エステラーゼ、グルタチオンレダクターゼ、ジアホラーゼの3酵素に多型が認められた。ただし、対立遺伝子を特定するに至らず、血縁度の測定は未達成である。 沖縄本島の種々の生息地において実施したアリ群集の調査結果を、各種の地理的分布、コロニー構造および繁殖システム上の特性との関連で分析した。その結果、森林地域には狭分布種、単女王性種が大きな比率をしめ、一方、オープンランドでは放浪種など広分布種、多女王性、多巣性種の比率が高いことが明らかになった。 西表島において、アリ群集の定量採集を行ない、合計47種、398コロニーを得た。その結果は、現在地理的分布、コロニー構造および繁殖システム上の特性との関連で分析中である。
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Research Products
(1 results)