1994 Fiscal Year Annual Research Report
有機強誘導フィルムの帯電特性とその画像記録への応用
Project/Area Number |
05650005
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小門 宏 千葉大学, 工学部, 教授 (40016358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 勝義 千葉大学, 工学部, 助手 (50192737)
北村 孝司 千葉大学, 工学部, 助教授 (20009541)
|
Keywords | 強誘電体 / 画像電体 / 焦電性 / ポリフッ化ビニリデン |
Research Abstract |
先年度に帯電特性および画像形成法の概略を把握したので、本年度は画像形成法の最適化に重点をおいた。 1.記録原理の確認 フッ化ビニリデン/四フッ化エチレンの4:1共重合体を試料とし、コロナによるポーリングしたフィルムにフラッシュ光で露光を行った際に観察される静電潜像の形成は、主に焦電性によるが、なお一部キューリ-点以上への加熱による解分極の寄与も否定できないことを、熱刺激電流の測定、および試料温度の直接測定の結果の解析により確認した。 2.試料の光電変換機能の検討 強誘電体層中に色素あるいは顔料を分散する方法、顔料層と強誘電体層を積層する方法の両者で、光吸収剤が試料のコロナ帯電性および誘電ヒステリシス特性に及ぼす影響を調べた。その結果、イオン性添加物の層中分散は強誘電体の抗電界を増加させ、残留分極を低下させる効果が著しく、適当ではないこと、非イオン性顔料でも積層構造にしたときにより良好な特性が得られることを結論とした。 3.試料表面の機械的改善 本画像記録法はフッ素樹脂系の汚れにくい材料を用いており、良質の画像を期待できるにもかかわらず、実際に同一試料に記録・消去を繰り返すと、非画像部のよごれや、画像部のかすれなどが現れる。この問題点が、材料表面の機械的強度不足でトナー現像時に摩擦により傷つくためと考え、改質材として少量の他のポリマー(ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール等)を添加して効果を検討した。その結果、数%の改質材の添加は材料の電気的特性にそれほどの影響を与えずに、記録画像の品質を改善できることが判明した。
|
-
[Publications] M.Kikuchi,T.Yoshimura,K.Hoshino,H.Kokada: "The Mechanism of Thermo-Induced Electrostatic Image Formation in Poled Ferroelectric Polymer Films" Japanese Journal of Applied Physics. 33. 40033-4006 (1994)