1994 Fiscal Year Annual Research Report
トランスピュータ並列処理による伝熱数値シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
05650211
|
Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 詠一 東京理科大学, 理工学部, 助手 (70112894)
|
Keywords | トランスピュータ / 並列計算 / 熱伝導方程式 / キャビティー流れ / 計算効率 / 速度向上率 / レッド・ブラックSOR法 / ワークステーション,クラスタ |
Research Abstract |
本年度は,昨年度のトランスピュータによる並列計算を発展させ,ワークステーション(サンマイクロシステムズ社SPARC station IPX)を用いて,並列計算を試みた。並列処理用ライブラリとしては、Parallel Wareを用いた。このParallel Wareは,並列処理用の拡張関数や通信制御用関数などの拡張ライブラリを備えており,これらを逐次型プログラムに組み込むことにより,並列プログラムを作成した。まず,ポアソン方程式を,自然な順序で計算するSOR法と,計算点をRed点とBlack点に分け,これらを交互に反復計算するRed-Black SOR法の2種類について並列処理を行った。次に,この問題を実際の流れ場に適用し,代表的な一例として2次元Cavity Flow問題の並列化を行った。 熱伝導方程式(ポアソン方程式)の並列計算では,各プロセッサが行う計算時間に比べ,通信時間の割合が多いため,並列化効率が低く,速度向上率もノード数が増えるにつれて低下した。これは,ワークステーション,クラスターによる並列計算では,通信路を多くのユーザーが共有するため,日時,時間帯によって通信時間に大きなバラつきを生じるためである。これが,トランスピュータのように専用の通信路を有している並列計算機と最も異なる点である。 2次元Cavity Flow問題においては,分割数が小さい時には,やはり並列化効率は低かったが,分割数が大きくなると計算時間が増えるのに対し,通信時間の割合が小さくなるため十分高い速度向上率が得られた。
|
Research Products
(1 results)