1994 Fiscal Year Annual Research Report
排水からの熱回収を行う集合住宅のエネルギーシステムに関する研究
Project/Area Number |
05650557
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 稔 大阪大学, 工学部, 教授 (30029269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 吉之 大阪大学, 工学部, 助手 (20226278)
中村 安弘 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029268)
|
Keywords | 熱回収 / 生活排水 / 集合住宅 / 熱損失 / 排水管 / 給湯 / 省エネルギー |
Research Abstract |
1.集合住宅パイプシャフト内環境の実測 実際の集合住宅で実測を行った。その結果、(1)スポット型放射温度計による配管温度の計測精度の検証を行い。おおよそ±2℃以内の精度を確認した。(2)パイプシャフト内気温は屋外気温と異なり、配管からの熱損失に対してこの値の重要性が確認できた。 2.排水系からの非定常熱損失に関する研究 前年度作成した予測プログラムを用いて、排水縦管からの熱損失を対象に実験計画法に基づく一連の数値実験を行った。数値実験結果の有意要因分析および回帰分析を行い、熱損失率の簡易推定式を作成した。 3.排水からの熱回収槽の最適設計に関する研究 (1)浮力を活用して温排水と冷排水を分離する、フィルター槽の数値解析プログラムを作成し、前年度実験値との比較により解析プログラムの妥当性を確認した。(2)槽への流入条件、流入方向、分水板の寸法・設置位置などの影響を数値解析的に検討し、条件によってフィルター機能は複雑に変化することを明らかにした。(3)水温・流量がランダムに変動する現実的な場における槽の設計法の確立は、興味ある課題であることがわかった。 4.回収システムの評価に関する研究 高層集合住宅において、太陽熱と排水熱回収システム(ガスエンジンヒートポンプ)の結合システムのシステムシミュレーションを行い、エネルギーシステムのあり方を考察した。提案システムはエネルギーの流れにマッチしたシステムとして、上層階住戸は屋上に設置した太陽熱集熱器による給湯、暖房、下層階は上層階・中間階からの排水を利用した熱回収システムによる給湯・暖房、中間階は従来型のシステムを設定した。上記2.の結果をも参照して、年間エネルギーシミュレーションを行い、大きな省エネルギー効果の得られること、従来型を無くすために階数、上階から熱を順次使うことの効果などを確認した。
|