1994 Fiscal Year Annual Research Report
リゾートマンション開発が地域に及ぼした影響に関する研究
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05650579
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
瀬口 哲夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (00093047)
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Keywords | リゾートマンション開発 / 開発効果 / 土地利用 |
Research Abstract |
平成4年度は、リゾートマンション開発が集中的に行われた市町村に対して、開発が地域及び地域住民に対してどのようなインパクトを与えたかを明らかにすることが目的であった。(1)地域経済の基本となる人口等については、地方の町村では人口が減少するところが多い中で、リゾートマンション集中立地市町村の半分以上が人口増加を示している。ここ10年間で5%以上の人口の伸びを示したのは33%(7市町村)にのぼる。また人口の高齢化率もこれらの市町村では相対的に低い。例えば湯沢町では一時人口が減少したが、その後増加に転じている。(2)リゾートマンションの多くが観光地に立地していることもあり、リゾートマンション集中市町村での観光客数は増加しているところが目立つ。湯沢町の観光客数は、年間1,000(1992年)万人を超え、1980年当時の2倍になっている。これはスキー場等の施設整備と関係するところが大きい。(3)地域経済活動について、産業別就業者数を見ると第一次産業は低落傾向を示しているが、第三次産業については伸びている市町村が多い。湯沢町ではここ10年間に50%以上(1,200人)の伸びを示している。またこれらのマンション集中市町村では小売業販売額や飲食店販売額において増加傾向を示しているところが多い。人口一人当たりの販売額も相対的に大きい。湯沢町の一人当たりの年間小売業販売額と飲食店販売額は新潟県内の町村では一位である。(4)所得:リゾートマンション集中市町村の一人当たり課税所得(1991年)は250〜500万円/人と他の市町村に比較して多い。湯沢町や塩沢町のそれは新潟県内の市町村の中で上位にある。(5)土地利用、特に土地の転用については市町村でその性格が大きく異なることがわかった。転用にあったてかなりの合筆が行われるケースと単独の土地の転用が行われるケースがあることがわかった。湯沢町では山林や農地さらに原野、更地の転用が目立った。湯河原町ではミカン畑、千葉県房総地方では旅館跡地や漁業施設跡地のマンション転用が図られている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 瀬口哲夫,浦川秀樹: "リゾートマンション開発と地方財政その1-湯沢町の一般会計歳入を通して-" 日本建築学会 学術講演梗概集(1994年度). F. 725-726 (1994)
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[Publications] 浦川秀樹,瀬口哲夫: "リゾートマンション開発と地方財政その2-湯沢町の一般会計歳入を通して-" 日本建築学会 学術講演梗概集(1994年度). F. 727-728 (1994)
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[Publications] 瀬口哲夫,浦川秀樹: "リゾートマンション開発が地域経済に及ぼした影響に関する研究-湯沢町をケーススタディとして-" 日本建築学会東海支部 研究報告集(1995年). 33号. 637-640 (1995)