1993 Fiscal Year Annual Research Report
火山灰を有効利用したコンクリートおよびセラミックスの開発に関する研究
Project/Area Number |
05650756
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
大竹 孝明 鹿児島工業高等専門学校, 一般科目・化学, 助教授 (80128339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 めぐみ 鹿児島工業高等専門学校, 一般科目・化学, 助手 (40190722)
岡林 巧 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (40044630)
斎藤 利一郎 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (00037821)
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Keywords | 火山灰 / コンクリート / セラミックス / タイル / 桜島 / 細骨材 / 液膜法 / 釉薬 |
Research Abstract |
本年度(初年度)は、以下のように基礎的研究を推進した。 1.降下火山灰の量、粒度分布及び成分分析:ここ数年来集積してきた降下火山灰分布量の成果に加えて、桜島全域および周辺地域の代表的な箇所に降灰補集器を設置し、経時変化、経年変化を求めた。また、各地点の火山灰について粒度分析を行った。さらに、採取した試料について粒度別に分け、水溶性成分および不溶性成分中のSO_4^<2->、C1^-およびF^-の濃度を測定し、可溶性成分と不溶性成分におけるこれらのイオンの相関関係を求めた。これらのデータは、次年度の応用的研究の基礎資料として利用する。 2.液膜法による陰イオンの分離:火山灰に水を加え、水溶性成分(陰イオン)の分離を液膜法により行った。まず、陰イオンを選択的に輸送する抽出剤と界面活性剤を有機溶媒に溶かした油相と、ストリッピング剤を含む内水相を用いて、W/Oエマルションを調製した。つぎに、陰イオンを含む水相中に低速攪拌でこのエマルションを分散させ、陰イオンのみを分離濃縮した。この場合、抽出剤、溶媒の種類および最適pH等の条件の検討を行った。抽出剤の選択及び多くの操作因子が複雑に影響することに対して、さらに検討が必要である。 3.火山灰を用いた薩摩焼きの素地の研究開発:火山灰に対し、可塑性および耐火性のある粘土(木節粘土)を配合する割合を検討し、成形可能な陶土の最適条件を検討した。これらのデータを基に、種々の操作条件下で焼成を行った。さらに、焼成物(タイル)の気孔率等の特性を調べ、収縮率等の試験も行った。調製されたタイルは多孔質なため吸着力を有しており、廃水の浄化等に利用できる可能性が予想されるが、水中の鉄及びマンガンイオンの吸着実験を行い、吸着力を有することを確認した。
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