1993 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素種の電解並びに化学的合成法の確立とその応用
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05650883
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井口 勉 岡山大学, 工学部, 助教授 (50168473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊澤 美代子 岡山大学, 工学部, 教務員 (10243495)
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Keywords | 酸素酸化 / Baeyer-Villiger酸化 / 触媒的酸化 / アルコール酸化 / ルテニウム錯体 / N-オキシル化合物 / α-オキシアルカナール / アルデヒド |
Research Abstract |
(1)含金属活性酸素種の発生法とケトンの酸化。 遷移金属を触媒に用いて酸素及びアルデヒドから含金属活性酸素種の生成とその反応性を検討した。活性反応種は、特に環状ケトンのBaeyer-Villiger型酸化に有効であることを見出した。遷移金属錯体として二酸化ルテニウム、二酸化マンガン、酸化銅、五酸化バナジウムで当該反応が収率よく進行した。 (2)酸素を末端反応剤に用いるレドックス系酸化システムの構築。 酸素を末端反応剤に用いるN-オキソアンモニウム/N-オキシルからなるレドックス系の新しい発生法を検討した。ルテニウム金属触媒-N-オキシルの存在下に酸素を通じアルコールを酸化したところ、相当するカルボニル体が生成した。さらに、N-オキシルを1級アルコールに対して2等量用いるとアルデヒドの2位にN-オキシル化合物が付加したα-オキシアルカナールが生成した。このものはアルデヒドを経由して生成したと考えられる。ルテニウム金属触媒とN-オキシル化合物の量論比の検討からルテニウム化合物がアルコールのアルデヒドへの酸化剤として作用していることが示唆される。本研究でアルコールの酸化、カルボニル化合物の2位への酸素官能基の導入が達成できた。
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[Publications] 井口勉: "ニトロキルル化合物を用いるアルコールの触媒的酸化反応の進歩" 有機合成化学協会誌. 51. 910-920 (1993)
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[Publications] Tsutomu Inokuchi: "Electrochemical Wacker Type Reaction with a Double Mediatory System Consisting of Palladium Complex and Tri(4-bromophenyl)amine" Chemistry Letters. 121-124 (1994)
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[Publications] Tsutomu Inokuchi: "Indirect Electrochemical Radical Cyclization of Bromo Acetals by the Combined Use of Cobaloxime and Sacrificial Electrodes" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 67. 595-598 (1994)
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[Publications] 井口勉: "パラジウムを用いる電解酸化反応" 化学工業. 45. 146-149 (1994)