1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650953
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 直三 東海大学, 海洋学部, 教授 (00138637)
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Keywords | 沿岸海域 / 環境制御 / 流動制御 / 浮遊式波力利用装置 / 向岸流 / 傾斜板 / 定常流速 |
Research Abstract |
これまで、沿岸海域の環境制御を促進する消波構造物について海域の静穏化や海水交換という観点から沖合浮遊式波力利用装置に着目し、沿岸域に設置した沖合浮遊式波力利用装置の効果について水槽実験によりその特性を明らにしてきた。その結果から明らかになった主な点は、装置後方に強い向岸流が見られ、装置の外側に回る循環流が支配的であることなどである。本研究では、装置の後部スロープになっている傾斜板がその向岸流の発生起因であると考え、傾斜板後方の流れを調べた。すなわち、傾斜板を設置する波浪条件や装置の構造諸言がどのような傾斜板後方の流れ場(定常流速)を発生させるかを探るために、三次元水槽において電磁流速計を用いた流速の計測、傾斜板後方の波の打ち上げ高さの計測を行った。また、傾斜板後方の表面流を表面浮遊法を用いた写真撮影、傾斜板に打ち上げるためのビデオ撮影による解析をした。さらに二次元流場での向岸流の発生の有無および傾斜板後方の二次元の流場構造を確認するために二次元水槽実験において、傾斜板後方の流速を調べた。その結果、二次元流場では傾斜板後方の向岸流は発生しないことがわかった。また、三次元流場において、傾斜板角度による影響が大きく、傾斜板両端近傍で波の回折が起こり、これにより発生するカスプ状の波の打ち上げが、入射波進行方向への定常流速を発生させていると推測された。
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