1994 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアゲノムからみたイネ属の進化に関する研究
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05660003
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Research Institution | Yamagata University, Faculty of Agriculture |
Principal Investigator |
阿部 利徳 山形大学, 農学部, 助教授 (80202670)
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Keywords | O.sativa / イネ属植物 / ミトコンドリア / RFLP / 系統樹 / 進化 |
Research Abstract |
1.イネ栽培種ミトコンドリアDNAの制限酵素断片長多型 イネ栽培種、日本型(4)、インド型(4)及びジャワ型(2)の合計10品種を用いてミトコンドリア遺伝子プローブとのサザンハイブリダイゼーションにより制限酵素断片長多型(RFLP)を解析した。その結果、8種のプローブのうちcoxI、atp6をプローブに用いた場合、生態種によって付加的な断片の出現や消失が認められ、制限酵素xbaIで切断し、rrn18をプローブに用いた場合、一部のインド型品種に0.2kbの欠失が認められた。ジャワ型品種は日本型品種と同一のパターンを示した。 2.イネ属ミトコンドリアDNAの類縁関係と進化 イネ栽培種2種及びイネ属野性種10種、合計22系統を用い、全DNAを制限酵素、Hind III及びEcoR Iで切断後、8種のミトコンドリア遺伝子プローブとのサザンハイブリダイゼーションを行った。得られた制限酵素断片長パターンより共通に存在するDNA断片の割合を求め、平均距離法(UPGMA)により系統間の遺伝距離を求め、クラスタリングを行い系統樹を作成した。その結果、多くの種で種内変異がみられたものの、AAゲノムのO.sativa、O.glaberimma、O.breviligulata及びO.ruffipogonは一つのクラスターを形成した。O.punctata(BB)とO.punctata(BBCC)間やO.punctata(BBCC)とO.minuta(BBCC)間でも多型は認められたが、比較的類似していた。O.officinalis(CC)とO.eichingeri(CC)は互いに類似し、またO.latifolia(CCDD)とO.alta(CCDD)も類似しており、結局O.officinalis複合体のBB、BBCC、CC及びCCDDゲノム種は大きなクラスターを形成した。O.australiensis(EE)はCCDDゲノム種と類似していたが、O.brachyanth(FF)はいずれのクラスターにも入らず、最もO.sativaと遠縁であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 阿部利徳: "イネミトコンドリアDNAのRFLP分析I.品種・生態種間差異" 育種学雑誌. 42(別1). 228-229 (1992)
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[Publications] 阿部利徳: "イネミトコンドリアDNAのRFLP分析II.種間差異" 育種学雑誌. 42(別2). 244-245 (1992)
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[Publications] 阿部利徳: "ミトコンドリアDNAからみたイネ属植物の系統分化" IGEシリーズ 植物の系統分化及び遺伝変異の誘導と解析. 18. 39-49 (1994)