1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660058
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上宮 健吉 久留米大学, 医学部, 講師 (40080965)
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Keywords | 超音波放射 / ヒメエグリバ / スジキリヨトウ / 害虫防除 / 電子技術 / 帯電霧化 |
Research Abstract |
1.超音波放射によるヤガ類の飛来防除の研究では、昨年まで発振素子として考えていたランジュバン型の圧電素子について、高圧駆動回路の作成と、素子を特定の周波数に共振特性を合わせる特殊な成形となるためにコストがかかることを反省し、新しいタイプのトランスジューサ-と見なすべきものを採用し、コストダウンを計った.この特殊スピーカー(非公開)の周波数発振特性は、周波数25kHzから50kHzまで平坦に音源距離2mで蛾の超音波検出の最低出力の30dBを維持することが可能である。直径1cmの小型スピーカーを集積して101個の集合スピーカーとすると音源距離2.5mでも40dBを確保できたので、将来的にコストの低い発振装置と確定した 2.果実吸収蛾のヒメエグリバと芝生害虫のスジキリヨトウについて、前記の集積スピーカーを使い、コオモリが蛾を追跡する探索信号に相当する超音波パルスを発生させ、蛾がどのような逃避行動を示すかを3次元的なトラッカーで表示するような応力歪み検出装置で物理的な絶対量を測定した.その結果、特定の周波数で、特定のパルスの長さと間隔の超音波信号を用いれば、蛾類に著しい逃避飛翔を解発させることが判明した. 3.超音波霧化貫流ポンプの空中帯電について実験し、イオン化し易いミネラルを含む液体分子を空中に放射する時に、高圧駆動電圧回路の極性を正、あるいは負に切り替えて帯電粒子の極性を自由に変化させることで、霧が特定の電荷に次第に変化することが判明した.これは特定の空中に電場を生成させることであり、電解効果による動植物の影響を調べる実験に有用であることが分かった.これや薬剤や多角体ウイルスなどを植物体に付着しやすい、あるいは養分を吸収しやすい形で放射する装置ともなるものである.
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