1993 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯性 海草帯における食用二枚貝類の繁殖と加入過程
Project/Area Number |
05660217
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山口 正士 琉球大学, 理学部, 教授 (50112446)
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Keywords | tropical Seagrass Bed 熱帯性 海草帯 / Bivalves 二枚貝類 / Anadara antiguata リュウキュウサルボウ / ホソスジヒバリガイ Modiol〓s philippinar〓m / 付着器 collector / 浮遊幼生 pelagic larvae |
Research Abstract |
1 沖縄本島の金武湾沿岸に発達している海草帯で、リュウキュウサルボウとホソスジヒバリガイの2種類の食用二枚貝を中心にして、1993年の6月から11月にかけて1週間の間隔で採集した標本について生殖腺指数の季節的変化を調べた。その結果、両種とも不規則な間隔で部分的な生殖細胞の放出を繰り返すことが明らかになった。 2 主な貝類についての人口産卵誘発、人口受精、幼生飼育は当該年度中の産卵期間中に飼育設備がそろわなかったために次年度に集中的に行う計画である。 3 金武湾の海草帯においてシュロ縄やプラスチック繊維をほぐしたものをトリカルネット篭に収容した採苗器を設置し、それに付着した貝類の種類と大きさを観察した。これにはホソスジヒバリガイの付着がもっとも多く、リュウキュウサルボウはまったく付着しなかった。ホソスジヒバリガイの付着稚貝は5〜6ミリの大きさで付着器から脱離するらしく、それより大きい個体は見られなかった。 4 上の採苗と平行して海草帯でプランクトン採取を行い、多種類、多数の浮遊期の貝類幼生を検出したが、それらの種類の査定は今後の課題として、幼生飼育の結果を待ってから次年度におこなう予定である。 上記の野外実験を実施している金武湾沿岸の海草帯に近接している道路で大規模な拡張工事が当該年度から開始されていて、現在も進行中である。また、ここでは一般人による貝類の収穫活動も盛んであり、実験対象の重要種のリュウキュウサルボウの資源が枯渇する恐れがあるので別の集団を探索していたが、中城湾で同種の個体群を地元の漁業共同組合の漁民が収穫しているのを知った。そこで、次年度はこれも研究対象に含める予定である。
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Research Products
(1 results)