1994 Fiscal Year Annual Research Report
魚類における免疫応答調節液性因子の産生と防御免疫における関与
Project/Area Number |
05660348
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Research Institution | University of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
児玉 洋 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (20091449)
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Keywords | サイトカイン / マクロファージコロニー刺激因子 / ボツリヌスC_2毒素 / マクロファージ / アクチン / ADPリボシル化 |
Research Abstract |
ニジマスサイトカイン(主としてマクロファージコロニー刺激因子(macrophage-colony stimulating factor:M-CSF)のマクロファージに対する作用を検討するための予備実験として、マクロファージに対するボツリヌスC_2毒素の作用機序を調べた。C_2毒素はcomponent IおよびIIよりなる蛋白毒素である。component Iとトリプシン処理したcomponent IIは、ニジマス頭腎マクロファージおよびマウス腹腔マクロファージの合成樹脂ビーズ(ルミスフェア)貧食を阻害した。細胞死を起こさない毒素量でもマクロファージの食作用を阻害したことから、これは毒素の直接的な細胞傷害によるものではなかった。マクロファージのアクチン(非筋肉性アクチン)はcomponent IによってADPリボシル化されることから、食作用の阻害はアクチンの不活化によるものと思われた。さらに、トリプシン処理したcomponent II単独でも食作用を阻害した。今回の結果は、魚類マクロファージも他の脊椎動物同様ポツリヌスC_2毒素に感受性があることを示している。さらに、component IIはマクロファージ細胞膜に結合してマクロファージ活性に影響を及ぼすものと考えられた。今後毒素処理したニジマスにおけるサイトカイン産生(主としてM-CSF)と、M-CSFのマクロファージ活性に対する影響を検討する計画である。
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[Publications] Kodama,H.,Baba,T.and Ohishi,I: "Inhibitior of phagocytosis by rainbow trout maaophiges by botulinum C_2 toxin and its trypsinized component II" Developmental and Comparctive Immunology. 18. 389-395 (1994)