1994 Fiscal Year Annual Research Report
キシラジンおよび塩酸ケタミンの妊娠山羊の母胎・胎子に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
05660368
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Research Institution | Kagoshima University, Faculty of Agricultere |
Principal Investigator |
坂本 紘 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (20041650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 明広 鹿児島大学, 農学部, 助手 (40168852)
川崎 安亮 鹿児島大学, 農学部, 講師 (50211181)
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Keywords | 塩酸ケタミン / 妊娠ヤギ / 胎子心拍数 / 胎子血圧 / 呼吸性アシドーシス / 胎子呼吸様運動 / 胎子心拍数変動 |
Research Abstract |
妊娠獣に対する塩酸ケタミンのおよぼす影響を明らかにする目的で、妊娠山羊の慢性生理的モデルを作製し、塩酸ケタミンを5mg/kgおよび15mg/kg母体に静脈内投与を行い、母体・胎子の心拍数、血圧、pH、血液ガスの変化を観察した。母体では心拍数および血圧が投与直後より著明に増加した。この変化は15mg/kg投与群に比べ5mg/kg群でより顕著であった。血液ガス所見では、Po_2の低下、PCo_2の上昇、pHの低下とそれに伴う呼吸性アシドーシスが認められた。これらの変化は5mg/kg投与群に比べ15mg/kg群の方が大きかった。 一方、胎子では母体と異なり、心拍数は5mg/kg投与群では軽度の減少であったのに対し、15mg/kg投与群では25%と急激な減少が見られた。血圧も同様に5mg/kgでは著変がなく、15mg/kgでは2分後より下降傾向が見られた。血液ガス所見では、母体同様Po_2の低下、PCo_2の上昇による一過性の呼吸性アシドーシスが見られ、投与量の増加によりこの傾向は強くなった。また塩酸ケタミン投与直後より胎子呼吸様運動は完全に消失し、同時に胎子呼吸様運動は完全に消失し、同時に胎子心拍細変動も消失した。 今回は実験モデルが3頭しか作製できず、これらの所見が塩酸ケタミンの胎子移行性によるものなのか、あるいは母体の循環動態の変化に付随したものかについて明らかにすることはできなかった。今後さらに実験例を重ね詳細について検討する必要がある。
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