1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト2-オキソグルタル酸脱水素酵素遺伝子の構造並びに発現調節解析
Project/Area Number |
05670149
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小池 吉子 長崎大学, 医学部, 助教授 (10039521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 幸子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (80039916)
|
Keywords | 2-オキソグルタル酸脱水素酵素 / ヒト / 遺伝子 / クローニング / 塩基配列 / 発現調節 |
Research Abstract |
2-オキソグルタル酸脱水素酵素(OGDH)は、クエン酸回路上の燃料中間体で、しかもヘムや神経伝達物質であるグルタミン酸とGABAの生合成母体でもある2-オキソグルタル酸の酸化的異化分解を触媒するOGDH複合体の成分酵素の一つで、代表的チアミン酵素である。本研究では、申請者がクローン化したヒトOGDHcDNAを用い、その遺伝子のクローン化、構造解析と発現調節の解明を意図した。 1.OGDH遺伝子のクローン化-全長4.2kbcDNAの全長とその5'端(500bp)及び3'端(1.4kb)の制限酵素断片をブローブとしてヒト白血球と胎盤ゲノムライブラリーをスクリーニングし、7個の陽性クローンを単離し、インサートDNAをサブクローニングし、塩基配列を決定した。本遺伝子は全長約100kbで少なくとも22のエクソンと21のイントロンで構成され、エクソン/イントロン境界はすべてgt/ag則に従っていた。エクソンの長さはエクソン17の72bpからエクソン22の1、156bpに及び、イントロンの長さはイントロン15の0.1kbからイントロン1の19kb異常にまで及んでいた。TPP酵素に共通した補酵素TPP結合に関与する特異配列をエクソン9に確認した。3'端のAT-rich領域は含まれていたが、polyadenylatiom signalは認められなかった。5'は端ATGコドンより上流100bpに留まり、ブロモータ領域は決質していた。 2.5'端上流域を含んで遺伝子のクローン化-ヒトリンパ球ゲノムのコスミドライブラリーを、単離クローンDNAの5'端(400bp)とcDNA5'端(500bp)の断片を用いて、クローン化中で、数種類の陽性クローンを得ている。ブロモーターを含んだ5'端上流域がクローン化でき次第、発現機構解析を実施する。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kichiko Koike: "Cloning and nucleotide sequence of cDNA encoding human 2-oxoglutarate dehydrogenase(lipoamide)" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89. 1963-1967 (1992)
-
[Publications] 小池吉子: "ヒトピルビン酸脱水素酵素alpha、betaサブユニットの遺伝子構造" ビタミン. 67. 455-467 (1993)
-
[Publications] 小池吉子: "2-オキソグルタル酸脱水素酵素遺伝子の単離および構造解析" 生化学. 65. 758 (1993)
-
[Publications] 小池吉子: "アルツハイマー病脳・線維芽細胞の2-オキソグルタル酸脱水素酵素異常" 神経研究の進歩. 37. 1023-1030 (1993)
-
[Publications] Kwan-Fu Rex Sheu: "Abnormality of the alpha-ketoglutarate dehydrogenase complex in fibroblasts from familial Alzheimer′s disease" Annals of Neurology. (in press).