1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトIL-2Rβ及びγ鎖の粘膜付属リンパ装置における発現とその免疫病理学的意義
Project/Area Number |
05670160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 邦彦 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70133056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 三千夫 東北大学, 農学部, 助手 (80143022)
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Keywords | インターロイキン2 / インターロイキン2レセプター / IL-2レセプターβ鎖 / 粘膜付属リンパ装置 / 粘膜免疫 / 免疫組織化学 / 免疫電顕 / IL-2レセプターγ鎖 |
Research Abstract |
IL-2レセプターβ鎖のシグナル伝達に関してはヒトT細胞株MT-2、MT-1、ILT-Matを用いて行ない、次のことを明らかにした。1)IL-2Rβ鎖及びγ鎖は膜表面に発現しており 2)IL-2Rα鎖に比し約20分の1程度のレセプター数であることを免疫電顕金コロイド法を用いて明らかにした。3)IL-2R添加後5分でinternalizationがピークに達し4)30分後にはIL-2R鎖が核周囲に認められた。この基礎的な成績はIL-2Rβ鎖が直接増殖に関与しているという生化学的成績と関係があることが示唆された。 更に手術摘出したヒト消化管5例についてIL-2Rα鎖及びβ鎖について発現しているかどうかを検索した。大腸癌2例、クローン病2例、潰瘍性大腸炎1例検索した結果IL-2Rα鎖は全例に発現していたが、IL-2Rβ鎖の発現は見出されなかった。 In vitroでの基礎研究においては研究目的に挙げたものをほぼ満した。しかし、一部γ鎖に対していまだモノクロナル抗体が作製されていないため免疫電顕検索することができないという難点がある。その一方IL-2Rβ鎖はγ鎖と挙動を同じくしているのでβ鎖での成績はγ鎖の機能を示唆している。 In vivoでの病態との関連ではIL-2Rα鎖は様々の疾患で病巣周囲のリンパ系細胞に発現している。しかし、β鎖の発現は現在の所検索した5例では認めることが出来なかった。症例を多数集める必要がある。
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[Publications] Goto,K.: "Multiple intraperitoneal injections of turkey serum(TS)cause a major enlargement of the biliary tree" 7th Internat.Cong.Mucosal Immunol.7. 89-89 (1992)
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[Publications] Goto,K.: "Immunoelectron-microscopic detection of interleukin-2 receptor β chain in human T cell leukemia" J.Histochem.Cytochem.38. 1061-1061 (1991)
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[Publications] Goto,K.: "Dynamic movement of hemicysts reconstructed from monolayer culture of rat thyroid cells in the medium supplemented with isologons serum" Tohoku J.Exp.Med.163. 223-230 (1991)
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[Publications] Goto,K.: "Follicle-like hemicysts reorganized in monolayer culture of rat thyroid cells in the medium supplemented with isdogous serum" Tohoku J.Exp.Med.164. 230-236 (1991)
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[Publications] 後藤邦彦: "異種血清腹腔内投与は胆道樹からSCを局所産生させる" 日本病理学会誌. 83. 159-159 (1994)
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[Publications] 後藤邦彦: "増殖胆道樹のsecretory componentの免疫組織学的検索" 日本病理学会誌. 81. 130-130 (1993)