1993 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラのプラスミド性ビルレンス蛋白質の細胞局在性,精製および機能
Project/Area Number |
05670264
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
檀原 宏文 北里大学, 薬学部, 教授 (40114558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 章夫 北里研究所, 基礎研究所, 主任研究員 (50184205)
長井 正昭 北里大学, 薬学部, 助手 (10198294)
関矢 加智子 北里大学, 薬学部, 講師 (30050579)
遠藤 正彦 北里大学, 薬学部, 助教授 (60104519)
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Keywords | サルモネラ / ビルレンス / プラスミド / 機能 / 精製 / 細胞局在性 / 発現 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
Salmonella serovar Choleraesuis (S.Choleraesuis)などのサルモネラはビルレンスプラスミドを保持している。このプラスミド上のビルレンス遺伝子(salmonella virulence gene、spv)がコードする4種類のタンパク質(SpvR、SpvA、SpvB、SpvC)の機能、精製および細胞局在性を明かにすることが本研究の目的である。平成5年度の研究で得た成果は以下の通りである。 1 Spvタンパク質の機能;SpvR、SpvA、SpvB、SpvCタンパク質のうち、SpvRはspvABC遺伝子の発現を正に調節するポジテイブ調節因子であることを報告した(Mol.Gen.Genet,1993)。本年度はspvR遺伝子の発現に及ぼすSpvタンパク質の影響を調べた。先ず、spvR -lacZ融合体プラスミドを作成し大腸菌を形質転換した。次に、このプラスミドとシスまたはトランスにspvRABC遺伝子を共存させ、融合体プラスミドのbeta-ガラクトシダーゼ産生に及ぼすSpvタンパク質の影響を調べた。その結果、spvRの発現はSpvRによって正に、SpvAまたはSpvBによって負に調節されていることが明かになった。(Mole.Microbiol.1994,in press)。SpvCタンパク質の機能は不明である。 2 Spvタンパク質の精製;S.Choleraesuis RF-1株(50kbビルレンスプラスミド保持株)をM9培地で培養して得た菌体をフレンチプレスで破壊して精製の出発材料とした。種々のカラムを用いて粗精製Spvタンパク質を得た。これらの標品と合成ペプチド抗体とのウエスタンプロッテイング解析を行った。その結果、SpvR、SpvA、SpvB、SpvCのそれぞれは他のSpvタンパク質から分離されていることが明かになった。しかし、これらにはまだ夾雑タンパク質が混入していた。平成6年度は更に精製を継続する。 3 Spvタンパク質の細胞局在性;M9培地で培養したE.coli JM109/pMKD601株(spvRABC遺伝子クローン化プラスミドを保持する大腸菌)、合成ペプチド抗体(一次抗体)および10nm金コロイド標識抗ウサギIgG抗体(二次抗体)を用いて免疫電顕によるSpvタンパク質の局在性を解析した。種々検討した条件の内で特記すべき点は、Spurr樹脂包理剤を用いることによってタンパク質の局在性の解像力が上昇したことである。SpvA合成ペプチド抗体を用いた解析によってSpvAタンパク質は細胞質に局在することが明かとなった(第71回日本細菌学会関東支部総会発表予定)。平成6年度は引き続き他のSpvタンパク質の細胞局在性について解析する。
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Research Products
(1 results)