1994 Fiscal Year Annual Research Report
特異的及び非特異的免疫機能に及ぼすラットの自発運動の影響に関する研究
Project/Area Number |
05670328
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
町田 和彦 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (00111104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 孝雄 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (30257175)
林 修 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (20133340)
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Keywords | 自発運動 / ラット / トレッドミル / 好中球機能 / 生理機能 / 免疫 / 臓器中ミネラル / NBT試験 |
Research Abstract |
平成5年12月にラットを購入し,1週間室内環境に順化後、回転式運動測定装置で自由運動を行なわせた自発運動群(自由運動群)、同一装置だがストッパーを付けて運動を抑制した非運動群(対照群)、トレッドミルのランニング(20M/minで1日30分間、5日/週)を強制した群(強制運動群)の3群のラットを13週間飼育し以下の項目を測定し、各種運動型態の特異的・非特異的免疫機能を中心とした生体防御機能について検討した。測定項目:摂食・飲水量、体重・臓器重量、臓器中各種ミネラルおよび微量元素濃度、血清生化学分析(血清SODほか16項目)、白血球機能検査(白血球数、フローサイトメトリーによるリンパ球サブセットの測定、ネフェロメーターによる1gG,lgM,C3の測定、NBT試験およびフローサイトメトリーによる好中球貧食・活性酸素生産能の測定。以上の測定により以下のことを明らかにした。1。摂食量、摂水量ともに対照群に比べ、自由運動群、強制運動群ともに高値を示したにもかからわず体重は有意に低下した。しかし、強制運動群は軟便、BUNの増加、肝臓や臓中ミネラルや微量元素の有意な減少からみて、運動による肥満抑制というよりストレスによる吸収阻害による体重減少が示唆された。2。肝臓と脂肪重量で対照群に比べ、自由運動群、強制運動群ともに有意な減少を示したが、免疫能に重要な役割をもつ胸腺とヒ臓では対照群、自由運動群に比べ、強制運動群は有意な低値を示した。3。血清生化学分析の結果他の2群に比べ、強制運動群はALPで高値を示したが、この結果は激しい運動により胆汁鬱滞の誘発の可能性を示唆した。4。測定された免疫関係の項目ではいずれの群の間でも有意差は認められなかった。本研究の場合、本研究室の8カ月あるいは4カ月半に何らかの負荷を与えた後の今迄の結果と異なり、今迄必ず認められた自由運動群でのGOT,GPTの低下や貧食・殺菌能の相関が認められなかったことを考えると13週間の運動期間は運動習慣の免疫能を調べるには短すぎたことが考えられた。
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