1994 Fiscal Year Annual Research Report
ダニアレルゲンにと特異的なT細胞の機能の制御に関する研究
Project/Area Number |
05670409
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
河野 陽一 千葉大学, 医学部, 助教授 (60161882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 直樹 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (40221303)
|
Keywords | 抗アレルギー剤 / 気管支喘息 / T細胞株 / IL-4 / 抗原特異的芽球化反応 / T細胞機能抑制 / ダニ抗原 |
Research Abstract |
3種類の抗アレルギー薬(アゼラスチン、オザグレル、ペミロラスト:10^<-4>から10^<-7>M)について、気管支喘息患者由来の2株(A,B)のダニ応答性T細胞株の抗原特異的芽球化反応とIL-4産性能に対する効果を解析した。オザグレル、ペミロラストととも抗原特異的芽球化反応に対して有意な抑制は示さなかった。アゼラスチンは高濃度においてのみ芽球化反応を抑制した。IL-4産生に対しては、オザグレルとペミロラストは、それぞれ2つのT細胞株に対して異なる抑制能を示した。すなわち、オザグレルは、T細胞株Aに対しては、検討した濃度では全く抑制を示さず、T細胞株Bに対しては濃度依存的に10^<-4>から10^<-6>MでほとんどIL-4産生を抑制した。ペミロラストは、T細胞株Aに対しては、10^<-4>,10^<-5>Mの高濃度で抑制を示さず、10^<-6>,10^<-7>Mの低い濃度ではほぼ完全にIL-4産生を抑制した。また、T細胞株Bについてペミロラストの濃度依存的なIL-4産生の抑制が観察されたが、有意な抑制は10^<-4>Mのみ認められた。アゼラスチンは、2つのT細胞株に対してほぼ完全にIL-4産生を抑制した。以上から、ダニ応答性T細胞株の薬剤に対する反応は、細胞株により異なるが、ある種の抗アレルギー薬は芽球化反応を抑制することなくサイトカイン産生を抑制し、肥満細胞、好塩基球のみならずT細胞に対する作用を有することが明らかとなった。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] Kohno,Y.: "Preferential recognition of primary protein structures of α-casein by IgE and antibodies of patients with milk allergy." Ann Allergy. 73. 419-422 (1994)
-
[Publications] Honma K.: "Specificities of IgE,and IgA antibodies to ovalbumin:comparison of binding activities to denatured ovalbumin or ovalbumin fragments of IgE antibodies with those of IgG and IgA antibodies." Int.Arch Allergy Immunol. 103. 28-35 (1994)
-
[Publications] Shimojo N.: "Identification of the disease-related T cell epitope of ovalbbumin and epitope-T cell inactivation in egg allergy." Int.Arch Allergy Immunol. 105. 155-161 (1994)
-
[Publications] 下条直樹: "高IgE症候群におけるインターロイキン(IL-2)産生およびIL-2レセプター発現の異常" 日本小児科学会雑誌. 98. 1846-1851 (1994)
-
[Publications] 本間季里: "多発消化管潰瘍を伴う血管性紫斑病を合併した高IgE症候群の一例" アレルギーの臨床. 14. 667-671 (1994)
-
[Publications] 下条直樹: "ダニ応答性T細胞株の抗原特異的反応に対するPGE2および抗アレルギー薬の効果" アレルギー. 43. 1053 (1994)
-
[Publications] 下条直樹: "ダニ応答性T細胞の機能に及ぼすハウスダスト(HD)急速減感作療法(RIT)の効果" アレルギー. 43. 331 (1994)
-
[Publications] 下条直樹: "末梢血中の食物アレルゲン応答性Tリンパ球の食物アレルギーにおける役割:IgG抗体およびIgE抗体とT細胞のアレルゲンに対する特異性" 日本小児科学会雑誌. 98. 543 (1994)
-
[Publications] 勝木利行: "食物アレルゲン応答性Tリンパ球の食物アレルギーにおける役割:卵白アルブミン特異的T細胞株の樹立と産生するサイトカインおよびHLA拘束性の解析" 日本小児科学会雑誌. 98. 543 (1994)