1994 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性サイトカインによる肝細胞のMn-SOD遺伝子発現の調節機構の解析
Project/Area Number |
05670442
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
富樫 整 山形大学, 医学部, 講師 (60192209)
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Keywords | Huh-6 / IL-1β / NFκB / チロシンリン酸化酵素 / Mn-SOD |
Research Abstract |
サイトカインによるMn-SODの転写調節機構を明らかにする目的で平成6年度はヒト肝癌細胞(Huh-6)を用いた。Huh-6は分化した肝細胞の機能を有し、初代培養肝細胞に比べ、遺伝子導入など容易に行う事が出来る。 (1)種々のサイトカインによるMn-SODmRNA発現について、初代培養肝細胞を用いた実験と同様にサイトカインの中でもインターロイキン1β(IL-1β)が添加6時間後よりMn-SODmRNA発現を増大させた。デンシトメータによる成績では、コントロールと比べ1u/ml 1.4倍、10u/ml 2.3倍、100u/ml 4.1倍、1000u/ml 4.3倍であった。 (2)IL-1βによるMn-SOD発現について、Mn-SODに対するpolyclonal抗体を用いELISAにて細胞内蛋白レベルの変化を調べた。これもMn-SODmRNAの変化と平行した。SOD活性もIL-1β添加後同様に増加した。 (3)種々のリン酸化酵素阻害剤の影響について、IL-1βレセプターからどの様な経路で細胞内伝達をするか調べた。チロシンリン酸化酵素を主に阻害するHerbimycin A、主にプロテインキナーゼCを阻害するH7により細胞を前処理しIL-1βによるMn-SODmRNA発現にどのような影響を与えるか調べた。何れのリン酸化酵素阻害剤を用いてもMn-SODmRNA発現に対する影響はなかった。 (4)Gel ShiftアッセイによるC/EBPとNFκBの変化について IL-1β添加後、上記の転写調節因子の変化を調べた。C/EBPの変化はなかったが、NFκBは、その結合能が増加した。 (5)NFκB阻害剤の影響について NFκBの阻害剤tosyl-Phe-chloromethylketone(TPCK)を用い、その後IL-1βを添加した。IL-1βによるMn-SODmRNA発現増大は起こらなかった。 結論 IL-1βによるMn-SODmRNA発現増大は、Herbimycin A、プロテインキナーゼCを介さなった。IL-1βによるMn-SODmRNA発現に関与する転写調節因子としてC/EBPでなくNFκBと考えらえた。
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