1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05670542
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 頌史 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10108722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 俊男 国立精神, 神経センター・国府台病院・心身総合診療所, 医長 (90136375)
入江 正洋 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (00248593)
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Keywords | conditicning / Anaphylaxis / Histamine / SubstanceP / Guinea Pig / Central neruaus system / Respiratory resistance / Asthma |
Research Abstract |
本研究の目的は気管支喘息の特徴である気道の反応性の亢進状態について、神経性の調設機構における中枢神経系の役割を明らかにすることである。本年度は、喘息モデルとしてモルモットを用い、nonadrenergic noncholinergic(NANC)神経の電気刺激による呼吸抵抗の上昇や条件づけによるヒスタミン遊離の機序に、知覚神経末端のsubstanceP(SP)が関与しているか否かの検討を行った。 実験にはハートレイ系雄性モルモットを用い、気道収縮はペントバルビタール麻酔下で呼吸抵抗測定装置を用いて連続的に測定した。NANC神経刺激により、呼吸抵抗値(cmH_2O/ml・sec)は0.1286±0.0072より1.0185±0.1262まで上昇したが、SPの特異的拮抗剤FK224(2mg/kg)を前投与しておくと電気刺激による呼吸抵抗の上昇は有意(P<0.05)に抑制され0.2791±0.0492までしか上昇せず平均74.5%の抑制がみられた。同様にSP(10^<-8>M,20mul)静注による呼吸抵抗の上昇も77.7%抑制された。これらのことから、NANC神経刺激による呼吸抵抗の上昇はSP遊離による可能性が高いことが示唆された。 卵白アルブミン(OA)で吸入感作した8匹ずつ3群のモルモットにOAとdimetylsulfide(DMS:硫黄臭)を同時に反復吸入させて条件づけし、生理食塩水、ジアゼパム(5mg/kg)、FK224(2mg/kg)を前投与した後に条件刺激(DMSのみ吸入)を与えると、FK224投与群の血漿ヒスタミン値の上昇は生理食塩水投与群に比較して有意(P<0.05)に抑制され、条件づけしていない対照群(8匹)のそれと同程度であった。一方、ジアゼパム投与群でも、部分的に抑制されたが、生理食塩水投与群との間に有意の差は認められなかった。 以上のことから、NANC神経刺激による気道収縮や条件づけによるヒスタミン遊離の機序にSPが関与していることが示唆された。
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[Publications] Nagatas,Irie M ital: "Classical condificning of anaphylaxis" Prcceeding of 12th World Congress of Psychosematic Medicine. 57 (1993)
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[Publications] 永田頌史: "ストレスの仕組み-免疫の立場より" Clinical Neuroscience. 12(印刷中). (1994)
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[Publications] 永田頌史: "ストレス・コーピングと心身症" 脳と精神の医学. 5(印刷中). (1994)