1993 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ制御多分割絞りによる3次元放射線治療システム
Project/Area Number |
05670770
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高井 通勝 浜松医科大学, 医学部, 講師 (30092977)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 哲夫 浜松医科大学, 医学部, 講師 (30115498)
|
Keywords | 放射線治療 / 最適化 / 3次元放射線治療計画 / 多分割絞り / コンピュータ制御 / 原体照射法 |
Research Abstract |
Over-ride型多分割原体照射コリメータ、すなわちビーム中心軸を越えて照射野を形成できる多分割絞り、を用いることにより、従来の原体照射法では実現できなかった凹形のターゲット輪郭に一致した高線量域の形成が可能になり、原体照射法はより複雑な形状の腫瘍の放射線治療に適用できる。今年度の研究目的はコンピュータ制御Over-ride型多分割絞り原体照射装置を用いた3次元原体照射法の最適化法を確立することにある。 先ず、2次元原体照射法の最適化法について検討した。2次元原体照射法は等角度間隔の多門照射により実現されるものとする。各ビーム角度に対する照射野幅は、線源からターゲット輪郭及び決定臓器の輪郭への接線間の距離から求められた。各ビーム角度に対する線量荷重は線量分布の最適化法により決定した。すなわち、ターゲット輪郭上の線量が予定線量(90%)より大きく、かつ決定臓器への線量が耐容線量より小さいと言う拘束条件下で、ターゲット輪郭から一定距離だけ離れた点の線量を線形計画法を用いて最小化することにより線量荷重を決定した。その結果、凹形の部分を有するターゲット輪郭に対する治療計画では、決定臓器への線量を減じつつ、ターゲット輪郭と予定線領域(90%)が良く一致した線量分布を得ることができた。 線量分布の最適化法としては、治療計画の計算時間、照射時間および治療計画の照合などの点で線形計画法が逆問題解法より実用的に優れている。 2次元原体照射法の最適化法は、体軸方向コリメータを用いて照射野長を分割して照射することにより3次元原体照射法の最適化法へ拡張できることが判った。
|