1994 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光色素を用いた実験腫瘍における急性及び慢性低酸素細胞分画の評価
Project/Area Number |
05670791
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
赤木 清 関西医科大学, 医学部, 講師 (30098115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勤 関西医科大学, 医学部, 助手 (30204481)
鹿浦 砂智子 関西医科大学, 医学部, 助手 (00178857)
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Keywords | 腫瘍組織 / 低酸素細胞分画 / 蛍光色素 / 放射線抵抗性 |
Research Abstract |
腫瘍によって腫瘍血管の発達が同程度であっても、血管からの酸素、栄養の拡散の動態が異なり、中心部壊死の形成も異なる。腫瘍組織の放射線抵抗性の主因の1つである低酸素細胞の腫瘍組織内での割合である。近年、Brown,Champlinらは低酸素細胞の形成について、2つあることを報告している。1つは従来よりのChronicなHypoxic Cellの形成で腫瘍血管からの距離で酸素,栄養の欠乏から壊死部を伴う低酸素細胞(Diffusion Limited Hypoxic Cell)の形成である。もう1つは腫瘍組織において血管の存在が必ずしも血流を反映しているとは考えられず、血流の動的評価において、Acute Hypoxicの概念が提唱されている。腫瘍径の増大と伴に放射線抵抗性になるのは、腫瘍径の増大によつて、中心部壊死部は形成しなくても、腫瘍血管の1時的開閉が多くなり、血流の乏しい部分の出現の増大が示唆された。また、より大きな領域での色素を取り込まない部分の存在もあり、より大きな血管の開閉が存在することが示唆された。即ち、Acute Hypoxic Areaの増大(不適合部分)が放射線抵抗性の原因ではないかと示唆される。腫瘍系間においては、特に腫瘍組織内の血管の発達の程度はバリウムによるMicroangiographyで微小血管のNetworkの発達は今回の4種類の実験腫瘍では同程度(FSaは中心部の腫瘍血管の発達は少ない。)であり、中心部壊死部を形成しなくても染色パターンは異なる。この点においても血流の動的評価はヘキスト33342色素の蛍光像の方が優れていた。腫瘍系間、および腫瘍径で血管からの色素のPerfusionが異なり、腫瘍細胞への酸素供給にはこのPerfusionが大きな役割を果たしていると考えられ、蛍光画像を定量的に評価することで腫瘍組織への酸素の供給量を推測すること、または低酸素状態の把握が可能であることが示唆された。
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