1993 Fiscal Year Annual Research Report
タウリンの降圧機序についての基礎的研究と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
05670971
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
出石 宗仁 福岡大学, 医学部, 講師 (20131807)
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Keywords | 食塩高血圧 / ラット / カリクレイン / キニン / タウリン |
Research Abstract |
Dahl食塩感受性ラットに4週間高食塩食を与え飲水として3%タウリン含有水を投与した群と非投与群と血圧並びに尿中電解質、カリクレイン排泄量、腎臓のカリクレインのメッセンジャーRNA(mRNA)発現量の差を比較した。タウリン投与群では血圧の上昇が抑制され、尿中カリクレイン排泄量および腎カリクレインmRNA発現量がコントロール群より高値であった。尿中ナトリウム排泄量には差がなかった。 タウリンの効果の特異性について、構造が類似した非含硫betaアミノ酸betaアラニンの効果と比較検討したが、betaアラニン投与では血圧、カリクレインを含め何れのパラメーターともコントロール群と差がなくタウリン類似の効果は全く見られなかった。 タウリン投与による効果がカリクレインによるキニン産生増加を介するものかを検討するためタウリン投与と同時に浸透圧ミニポンプを用いてキニンのB2受容体の特異的拮抗薬Hoe140(500mug/kg/day)を皮下に4週間連続投与した。しかし、タウリンによる降圧およびその他の効果に対して殆ど影響を及ぼさなかった。 以上の結果よりタウリンは食塩による高血圧の治療に有効なことがわかった。また、その機序として腎カリクレイン-キニン系の活性化による圧-利尿曲線の低圧方向への偏位が関与していることが示唆された。しかし、キニンのB2受容体拮抗薬でそれらの作用が打ち消されず、カリクレインの関与を直接証明するには至らなかった。その理由としては、拮抗薬の用量の問題あるいはキニンのB1受容体の関与が考えられる。
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