1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05670979
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉原 平樹 北海道大学, 医学部, 教授 (20002157)
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Keywords | 胎児外科 / レーザー / 創傷治癒 |
Research Abstract |
妊娠14日のSIc:ICRマウスをネンブタール腹腔内麻酔下に開腹,子宮壁を切開し,羊膜・絨毛膜に小切開を加え,胎児の鼻・上口唇の一部を子宮外に露出させた。この部分にアルゴン・レーザーを2ワット,1秒で1回照射した。この胎児の鼻・上口唇部分を子宮内に完納し,漏出した羊水の代わりに温めた乳酸化リンゲル液を注入した後,穿破した羊膜・絨毛膜は開放のままとし、子宮壁を10-0ナイロン糸で縫合,次いで閉腹した。術後,胎児を経時的に回収し,レーザー照射野の創傷治癒過程を肉眼的,組織学的,組織化学的に観察した。 前回までの2ワット,1秒,3回照射の場合とは異なり,今回の2ワット,1秒,1回照射では、炎症生細胞浸潤がほとんど認められず、上皮化、組織再生も速かった。ただ、上皮化が完了してもなお、真皮には依然、出血した胞体を有する細胞や血球の凝集した血管が認められた。しかしがら、全観察期間にわたり,真皮は線維芽細胞などの細胞成分が比較的疎で,ヒアルロン酸に富んでおり,これが胎児組織が瘢痕を残さずに,正常な組織として再生される要因の一つと推察された。
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Research Products
(1 results)