1994 Fiscal Year Annual Research Report
前癌肝細胞と親指化膜によるハイブリッド型人口肝補助装置開発の研究
Project/Area Number |
05670983
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
山本 哲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50125415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 一彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00204264)
葛西 眞一 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (40091566)
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Keywords | 化学発癌 / 人工肝臓 / 前癌病変 / 2-Acetylaminofluorene / 親指化膜 |
Research Abstract |
代謝のリアクターとして用いる高機能肝細胞を得ることが先決問題であり、この肝細胞の効率的採取および機能の評価に重点を置いた。HNの形成には操作の利便性から2-acetylaminofluorene(AAF)を食餌に混入させる方法を用いた。AAF投与後4-6カ月の実験動物のHN細胞を取り出し、その機能評価を行った。GPTはコントロール226±27U/g proteinに対し、結節部166±55,非結節部181±30U/g proteinとHN作成動物の肝トランスアミナーゼ活性値の低下傾向がみられた。これと対照的に、γ-GTP活性は、コントロール10±15U/g proteinに対し、結節部533±238,非結節部310±57U/g protein±とはるかにHN動物群で高値であり、しかも結節部により高い活性が認められた。薬物代謝活性の一つである、NADPH-Cyt.C Reductaseは、コントロール31.3±7.4U/g proteinに対し、結節部53.4±9.0U/g proteinと高値を示したものの、非結節部では21.0±2.8U/g protteinだった。薬物代謝活性はやはりHN形成動物の結節部に高く、これを取り出してハサミでミンスした後、遊離肝細胞分離に使用する溶液を用いて、50mlの0.05%コラゲナーゼ溶液で37℃10分間消化したが、細胞の回収率は10%前後と非常に低かった。そこで、ミンスしたHN結節を直接アルギン酸カルシム膜で被包したものを利用することにした。この被包HNゲルビーズの代謝活性としてアンモニア負荷試験を行った。被包HNゲルビーズは2時間で負荷量の32%のアンモニア除去能を示した。さらに親指化膜を介した血清中のフェノールのグルクロン酸抱合能をも示した。しかし、このHNゲルビーズをCO_2インキュベータ-内でWE培地を用いて48時間培養したところ、70-80%の細胞がビーズ内でnecrosisとなっていることがわかった。HN細胞のゲルビーズ化および培養にさらに工夫が必要と考えられた。
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