1993 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋細胞の変性関連遺伝子発現よりみた脳動脈瘤破裂の分子機構解明
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05671159
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
種田 護 大阪大学, 医学部, 助教授 (10236713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
大槻 秀夫 大阪大学, 医学部, 助手 (50240841)
山田 和雄 大阪大学, 医学部, 講師 (90150341)
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Keywords | ruptured aneurysm / unruptured aneurysm / incidental aneurysm / smooth muscle / smooth muscle actin / fibroblast growth Factor(FGF) / aneurysmal pathology / degeneration |
Research Abstract |
申請者らの経験した破裂例1202例、未破裂例103例の解析の結果、破裂例では高齢になるにつれて圧倒的に女性例が増加するのに対し、未破裂例では高齢になっても男女差があまりできないこと、未破裂例では内頚動脈瘤が多いこと(53%;破裂例26%)、破裂例に合併する未破裂例では部位別頻度は未破裂単独例とは異なり、中大脳動脈瘤が多いこと(29%;破裂例26%、未破裂単独例16%)、などが明らかになった。 破裂および未破裂動脈瘤手術の際、動脈瘤嚢を切除して得られた標本15個、および病理解剖標本15個を用いて、動脈瘤壁の組織学的解析を行った。まず通常の染色で内弾性板の有無を検索すると30例中2例の単独未破裂動脈瘤の柄部に近いところに内弾性板の残存を認めたが、他はすべて消失していた。つぎに抗平滑筋アクチン抗体を用い動脈瘤壁を免疫染色し、壁の平滑筋細胞の変性の程度を検討すると、破裂動脈瘤体部壁ではすべて平滑筋細胞は染色されず、壁は線維化していた。これに対し単独未破裂例の80%においては体部壁内の平滑筋細胞は抗アクチン抗体により染色され、平滑筋細胞が生存していることを示した。また破裂動脈瘤例に併存する未破裂動脈瘤ではその80%が平滑筋細胞の変性を認めた。このことは動脈瘤壁の平滑筋細胞が張力性ストレスに対し変性しやすい場合と、変性しにくい場合があることを示唆する。抗FGF抗体を用いて動脈瘤壁を染色したところ、平滑筋細胞内でのFGFの存在とアクチンの存在とはよく一致した。 以上の結果から動脈瘤壁の平滑筋細胞の活性には差があり、平滑筋細胞が生存しアクチン線維を産生する能力がある場合には破裂しにくいことが明らかになった。しかし平滑筋細胞の変性がどのような機構によって起こるかは今年度の研究では明らかにできなかった。次年度は変性関連遺伝子の発現を中心にこの点を解明したいが、現在研究室で行っているこの分野の研究成果についても次貢の研究発表に記載する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 種子田 護 他: "未破裂動脈瘤は将来クモ膜下出血の原因となりうるのか?" 脳卒中. 14. 768-772 (1992)
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[Publications] 岸口稔睦 他: "未破裂動脈瘤" Brain Nursing. 9. 862-869 (1993)
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[Publications] Yuguchi T,et al: "Messenger RNA and protein expression of basic fibroblast growth factor receptor after corticalablation" Mol Brain Res. (印刷中).
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[Publications] Otsuki H,et al: "Prostaglandin E1 induces c-Fos and Myc proteins and protects rat hippocampal cells against hypoxic injury" J Cereb Blood Flow Metabol. 14. 150-155 (1994)
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[Publications] Kinoshita A,et al: "Ethylene vinylacetate copolymer particles dissolved in polyvinyl alcohol(2,000mer)solution as an embolic material for vascular anomalies.A preliminary study" Neuroradiology. 36. 65-68 (1994)
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[Publications] Kataoka K,et al: "Treatment of severe localized cerebral vasospasm follwing recurrent hemorrhage from middle cerebral artery aneurysm-case report-" Neurol Med Chir(Tokyo). 33. 830-832 (1993)
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[Publications] Kataoka K,et al: "Recent Advances in Neurotraumatology" Nakamura N,Hashimoto T,Yasue M(eds),Springer-Verlag,Tokyo, 227-231 (1993)