1995 Fiscal Year Annual Research Report
頚椎加齢変性(老化)の病理組織学的・組織化学的・免疫組織学的研究
Project/Area Number |
05671196
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Research Institution | Tohoku University School |
Principal Investigator |
国分 正一 東北大学, 医学部, 教授 (60186658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼川 温 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (30241615)
樫本 修 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90214296)
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Keywords | 頚椎 / 加齢変化 / 椎間関節 / 椎間板 / 軟骨変性 |
Research Abstract |
屍体頚椎標本10例の27椎間関節を組織学的に検討して以下の知見を得た。 1.頚椎椎間関節の硝子軟骨の変性に関して 26関節(96%)に軟骨細胞あるいは軟骨基質の変性の所見がみられた。30〜40歳台で、深部の放射層に軟骨細胞の合胞形成がみられた。50〜60歳台では、軟骨表面の不整あるいは軟骨表層の亀裂が生じていた。軟骨の全層にわたって合胞形成のみられる例があった。70歳台で、亀裂が深層まで達する所見がみられ、ついには硝子軟骨が消失している例があった。加齢に伴って、軟骨細胞の合胞形成、軟骨基質の亀裂形成、そして構造の破綻へと進行する変性の過程が捉えられた。 2.頚椎椎間関節の変性の高位別の差に関して 同一例の椎間関節であっても、高位によって変性の程度に差がみられた。第5、第6頚椎間の椎間関節の変性が最も進行していて、次いで第6、第7頚椎間、そして第4、第5頚椎間の順であった。 3.同一高位の椎間板と椎間関節の変性の関係 同一例かつ同一高位の椎間板と椎間関節の変性の程度を比較した。椎間板の変性の程度が低い例では、椎間関節の変性度も低い傾向にあった。椎間板の変性度が高い例での椎間関節は、同様に変性度が高い例と、逆に低い例の二種類があった。椎間板の変性度が低く、椎間関節は高いという組み合わせがみられたのは少数例であった。 4.まとめ。30歳台で頚椎の椎間関節に軟骨の変性がみられ、加齢に伴い変性の度合いが増す。加齢による変性が、椎間板と椎間関節の双方で同程度に存在する場合と、椎間板のみで顕著な場合がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shoichi Kokubun: "Types of cervical disc herniation and relation to myelopathy and radiculopathy" J Back Musculoskelet Rehabil. 5. 145-154 (1995)
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[Publications] Shoichi Kokubun: "Cartlaginous Endplate in Cervical Disc Herniation Disc Herniation" SPINE. 21. 190-195 (1996)