1994 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨軟部腫瘍の腫瘍細胞動態(Brdv,Irdvを用いた免疫組織化学的研究)
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05671211
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松本 圭司 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70165885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石澤 命仁 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00242983)
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Keywords | 骨軟部悪性腫瘍 / 免疫組織化学 / 細胞増殖動態 / 予後判定因子 / 抗癌剤感受性試験 |
Research Abstract |
滋賀医科大学整形外科において,手術時に採取されたヒト悪性骨軟部腫瘍をヌードマウス背部皮下に移植することにより得られた担癌動物モデルに対して,BrduとIrduを投与し,免疫組織化学的に処理して,腫瘍細胞の増殖過程におけるS期所要時間(以下,S期時間)の測定が前年度に可能となっている。今年度は,実際の臨床症例を増やして,上記により得られたS期時間とその症例の予後および生存期間と比較検討したところ,臨床症例の予後を反映する傾向が認められた。つまりS期時間が短いものは予後が悪く早期死亡例が多いが,これが長いものでは予後が良く長期生存例が多いことから,本方法によって得られたS期時間は,科学的根拠を有する予後判定因子と成り得ることが判明した。 さらに,予備実験として現在ヌードマウスに継代中の軟部悪性線維性組織球腫の1株については,各種抗癌剤投与により,ある薬剤のみにてS期時間が著明に延長し,またこの所見に平行して実際の腫瘍体積増加より見た腫瘍増殖が抑制されることが判明した。この結果は第27回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会および第9回日本整形外科学会基礎学術集会にて発表済みである。本方法は,骨軟部悪性腫瘍に効果があるとされる数種類の抗癌剤のスクリーニングテストとして実用化できる見込みが強く,平成7年度にさらに症例を増やして検討する予定である。
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