1994 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンおよびアデノシンアナログのくも膜下,硬膜外腔投与時の麻酔効果
Project/Area Number |
05671271
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
原野 清 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30038848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 光浩 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70236206)
十時 忠秀 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20038722)
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Keywords | アデノシン / アデノシンアナログ / 脊椎麻酔 / 硬膜外麻酔 |
Research Abstract |
実験の数日前にイヌのくも膜下腔に留置しておいたカテーテルより、アデノシン40mg,60mgを注入し、痛覚刺激(テ-ルクランプ)時の循環動態の変化の観察を行うと共に、痛覚刺激前後の動脈血中カテコールアミンの濃度測定を行った。 実験は酸素-笑気イソフルラン麻酔下に行い、イソフルランの濃度はほぼ1.0MACになるように調節した。その結果、痛覚刺激時の循環動態の変化は昨年度の研究結果と同様の傾向が得られた。 すなわち、心拍数ではアデノシン注入前の痛覚刺激によりコントロール値の35〜70%の増加が認められたがアデノシン注入10分後の痛覚刺激では5〜15%の増加しか認めなかった。 同様に血圧においてもそれぞれコントロール値の20〜40%の上昇から5〜20%の上昇に抑制された。動脈血中カテコラミンについてはまだ実験例数が2匹と少なく確定できないが、両例とも下記に示すように同様の傾向が認められた。 痛覚刺激前 痛覚刺激後 アデノシン60mg注入10分後の痛覚刺激後 ノルエピネフリン(1) 337 353 353 ノルエピネフリン(2) 462 510 484 エピネフリン (1) 1060 1530 982 エピネフリン (2) 1345 1879 1480 単位:pg/ml 以上の結果よりアデノシンのくも膜下注入後の疼痛刺激によるカテコラミンの分泌増加は認められず、アデノシンによる麻酔作用が推測される。
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