1993 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌における自己腫瘍特異的T細胞クローンの樹立とそのT細胞受容体の解析
Project/Area Number |
05671333
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
森田 辰男 自治医科大学, 医学部, 講師 (40200422)
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Keywords | 腎臓腫瘍 / T細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、IL-2産生肝細胞癌株を用いて効率よく自己腫瘍特異的T細胞株を樹立させ、自己腫瘍特異的認識機構の実体にT細胞側から迫ることにある。現在までに、IL-2産生腫瘍細胞株を樹立し、そのIL-2産生能や造腫瘍性等を観察し、IL-2産生能の違いによって細胞株の造腫瘍性が異なることを観察してきた。本年度の研究によって下記の成果が得られた。IL-2産生腫瘍細胞株およびコントロール株からmRNAを抽出、RT-PCRを行い、IL-2産生腫瘍細胞株でのIL-2発現を確認することができた。次に、IL-2産生腫瘍細胞株を皮下移植したマウスにおける免疫能の有無等について検討した。IL-2産生腫瘍細胞株を皮下移植した後、脾細胞を採取し、^<51>Cr放出試験によって脾細胞の細胞傷害活性を測定した。標的細胞としては、親株であるマウス腎細胞癌株とYacを用いた。IL-2産生腫瘍細胞株を皮下移植したマウスから得られた脾細胞の細胞障害パターンは、コントロールに比べ、細胞障害活性は有意に高かったが、明らかな特異的細胞障害活性はみられなかった。このように特異的細胞障害活性がみられなかったのは、皮下移植後の脾細胞採取時期やエフェクター細胞の採取部位に起因する可能性があと思われた。今後は、脾細胞の採取時期や検討、ならびに、皮下腫瘍から得られた腫瘍浸潤リンパ球(TILs)を採取し、その特異性を検討する必要があると考えれている。
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