1994 Fiscal Year Annual Research Report
温熱感受性リポソームを用いた臓器選択的遺伝子導入法による癌治療の基礎的研究
Project/Area Number |
05671341
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
木原 健 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60195344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 佳子 東京女子医科大学, 医学部, 助手
東間 紘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90075549)
伊藤 文夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20211683)
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Keywords | DNAトランスフェクション / 温熱感受性リポソーム / センダイウイルス |
Research Abstract |
DPPC:DSPC=9:1のliposome(相転移温度40℃〜41℃)にDNA(pmiwz)を封入しsendai virusを表面に融合したSTD liposomeを正常尿細管上皮株(LLC PK-1)および腎細胞癌株(ACHN)に投与し、in vitroにおけるDNA transfectionを確認した後、実験動物に投与してin vivoにおけるDNA transferを検討した。 【方法】 ラットを開腹し、一側腎動脈にカテーテルを挿入し、STD liposomeを動注後、経日的にラットをsacrificeし、注入側腎、およびliposome貧食能の強い、肝、脾、肺などを中心に諸臓器におけるDNA transferを検討した。 【結果】 ラットモデルにおいては注入側腎、および諸臓器からのDNA発現は不充分であった。この原因としてSTD liposomeは調整後の膜の安定性が悪いこと、また表面荷電がないため細胞膜との親和性が弱いこと、ラットの体温が高いこと、などが考えられた。以上の結果をふまえ、リポソーム膜の安定性および標的細胞(表面荷電が陰性)に対する親和性を高める目的でDPPC、DSPCと、さらにTMAG(陽性荷電を有する)を加えたneo STD liposomeを作成した。このliposomeは従来のliposomeに比べ荷電を有するため膜安定性が高く、調整後、数時間を経過してもliposome構築は保たれている。現在、neo STD liposomeを用い、in vitroにおけるDNA transfectionの有無を検討中である。
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