1994 Fiscal Year Annual Research Report
Gn-RH レセプターを利用した子宮筋腫および子宮内膜症の治療に関する研究
Project/Area Number |
05671381
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石丸 忠之 長崎大学, 医学部, 助教授 (20039580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 隆則 長崎大学, 医学部, 助手 (80200682)
増崎 英明 長崎大学, 医学部, 講師 (00173740)
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Keywords | - |
Research Abstract |
子宮筋腫に対するgonadotropin releasing horm one agonist(GnRHa)の直接効果の有無を検討するため,培養細胞を用いてGnRHaの細胞増殖能に対する影響について検討した.手術によって得られた子宮筋腫および正常子宮筋組織を細切し,コラゲナーゼを含むハンクス液中で12時間消化した.白金メッシュにて未消化物を除去し,細胞浮遊液を遠心し,上清を除去後,10%牛胎児血清を含むWaymouth 培養液に細胞を再浮遊させ培養に供した. (1)GnRHaの細胞増殖能への影響について 35mm シャーレで1x10^5個の筋腫細胞および正常子宮筋細胞を各種濃度のGnRHaを添加した培養液で培養し,経日的に2週間,細胞数および蛋白量を測定した.なお培養液は2日毎に交換した.細胞数および蛋白量は,GnRHaのどの濃度においてもGnRHaを添加しない群と比べて有意な差は認めなかった.したがって,子宮筋腫および正常子宮筋の培養細胞の増殖能に対してGnRHaの直接効果はないものと推察された. (2)GnRHaの細胞縮小効果または細胞毒性の有無に関する検討 35mm シャーレで筋腫細胞および正常子宮筋細胞を培養し,約1週間後confluentになったものに各種濃度のGnRHaを添加し,経日的に2週間,細胞数および蛋白量を測定した.細胞数,1シャーレあたりの蛋白量および蛋白量を細胞数で除した1細胞あたりの蛋白量は,GnRHa無添加群と比べて全く有意差は認めなかった.したがって,GnRHaの直接的な細胞縮小効果または細胞毒性は無いものと考えられた. 以上の検討より,子宮筋腫のGnRHaによる縮小効果は,GnRHaの筋腫細胞への直接作用ではなく,estrogen低下などによる間接的作用によるものと推察された.
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Research Products
(1 results)