1993 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌の癌化機構(エストロゲン、特にエストラジオールとc-erbB-2を中心として)
Project/Area Number |
05671400
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
荻野 雅弘 帝京大学, 医学部, 助教授 (80107680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿島 敦子 帝京大学, 医学部, 助手 (00246050)
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Keywords | 子宮体癌 / エストロゲン / c-erbB-2 |
Research Abstract |
1)未だ子宮内膜癌の癌化機構も、また癌遺伝子c-erb-2のリガンドは同定されていない。リガンドに関してはエストロゲン(E_2と略す)の可能性があるとも報告されている。そこで我々はエストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプターを持つ培養細胞株である子宮内膜癌(石川株:筑波大学産婦人科西田より供与)細胞にE_2を添加培養し、DNA,RNAを抽出しc-erb-2の変化と細胞数の推移を見ることによりc-erb-2のリガンドと成りうるか、また子宮内膜癌の癌化機構を解明することを目的とした実験を試みた。実験方法は本株に生理的濃度のE_2濃度10^<-8>mol添加群と対象群とを比較した。しかし問題点として、従来本株の培養液には胎子血清が含有し、ステロイドホルモンや成長因子などが含まれる結果、微妙な成績に影響することが判明した。そこでそれらの因子を排除するためチャコールデキストラン処理した血清を用いフェノールレッドフリーの培養液中で細胞増殖するかを見た。本条件下でplastic dish内に培養された(3x10^5cell/dish)株の発育は、細胞数で見るとE_2添加後7日目頃になって初めて対象群に比較して細胞数は有意に増加し、2週間目にさらにその変化は明らかとなることが判明した。現在DNA,mRNAを抽出し解析している。 2)正常子宮内膜培養実験系の確立には、正常子宮内膜そのものを培養することは度重なる不成功の実験に終わっている。原因は子宮内膜が雑菌に富むためか培養系が確立出来ないことに起因する。そこで報告に見られるような子宮間質を用い間質を微細なフィルター内を通過させることにより培養実験系によって行っている。
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