1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671608
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Research Institution | KANAGAWA DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
出口 眞二 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60121018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (30084784)
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Keywords | ヒト歯周組織由来細胞 / 化学走化性 / 培養上清 / 細胞接着、伸展 |
Research Abstract |
歯周組織再生にとって最も重要と考えられているヒト歯根膜由来線維芽細胞(HPLF)の培養上清(HPLF-CM)中に、HPLFの培養、伸展を増強させる因子の存在を明らかにしてきた。 本研究ではHPLF-CMに対しヒト歯周組織由来細胞であるHPLF、ヒト歯肉由来線維芽細胞(HGF)、ヒト歯槽骨由来細胞(HABC)、ヒト歯肉上皮細胞(HGE)ならびに、ヒト末梢血由来多形核白血球(PMN)の化学走化性について検索してきた。平成5年度までは、HPLFおよびHGFに対しHPLF-CMに化学走化活性の存在することを報告した。平成6年度においてはHABC、HGEの確立とHPLF-CM中に各細胞に対する化学走化活性および接着、伸展促進させる物質の存在を明らかにした。 1)HABCは過剰埋伏智歯抜去時の歯槽骨片を1.5%コラゲナーゼ処理し、得た。HGFと比較し、培養14日目に有意に高いALPase活性を示した。 2)HGEは歯肉組織片を0.4%dispaseII処理し、得られた上皮をトリプシンとEDTAの混合液で処理後、KGM培地にて培養し、敷石状の上皮細胞を得た。 3)HABCに対しては100倍濃縮(x100)HPLF-CMでは化学走化活性は認められず、25倍〜1倍(100%)のHPLF-CMに化学走化活性があった。 4)HGEに対して20%HPLF-CMでpostive controlである50μg/ml lamininより有意に高い化学走化活性を示した。 5)PMNsに対しては50、100%HPLF-CMには走化活性の存在を認めなかった。 6)ヒト歯周組織由来細胞に対し20%HPLF-CMで高い接着、伸展を示した。 これらのin vitroでの結果は、歯周外科処置後に歯根面への結合組織性の付着を得るために重要と考えられる物質を、歯周組織の再生にとって欠かすことのできない歯根膜組織由来線維芽細胞が産生することを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)