1993 Fiscal Year Annual Research Report
口腔偏平苔癬における特異的T細胞の解明ならびにその機能的解析
Project/Area Number |
05671674
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 友行 九州大学, 歯学部, 助手 (00159667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀之内 康文 九州大学, 歯学部, 助手 (80219229)
窪田 泰考 九州大学, 歯学部, 助手 (60205151)
中村 誠司 九州大学, 歯学部, 助手 (60189040)
岡 増一郎 九州大学, 歯学部, 教授 (50038866)
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Keywords | 口腔粘膜 / 偏平苔癬 / T細胞 / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.口腔偏平苔癬に特異的なT細胞の特定は生検凍結材料よりRNAを抽出し、PCR法にてT細胞レセプターVbetaファミリーの使用について末梢血のそれと比較検索中である。 2.局所に浸潤するT細胞からのクローン株は現在数種のCD4+T細胞株を継代培養中であり、次年度にはこれらのT細胞株を用いた上皮細胞障害機能およびサイトカイン産生機能実験を計画中である。 3.免疫組織学的研究では、本症の特徴とされる慢性炎症像をその主たる構成細胞であるリンパ球、マクロファージ、血管内皮細胞、上皮細胞の細胞接着分子発現に注目して観察した。 1)末梢リンパ球に比べて、病巣局所のT細胞が様々な細胞接着分子(VLA-3、-4、-5、ICAM-1)の発現増強が確認された。 2)正常上皮細胞に発現が認められていないICAM-1の発現が病巣上皮細胞に認められた。 3)正常血管内皮細胞に比べてELAM-1、ICAM-1の過剰発現が認められた。 3.1)2)3)は口腔偏平苔癬を形成および慢性病変への移行に重要な所見と考えられ、現在投稿中である。 4.さらに、上述の様々な細胞接着分子発現を調節する因子としての局所リンパ球、マクロファージ、肥満細胞から産生されるサイトカインに注目しを免疫組織学的に観察可能かどうか検討中である。 5.本症における神経ペプチド(サブスタンスP等)の役割について、抗ペプチド抗体を用いて、神経ペプチド産生神経線維の分布についても研究中である。
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