1993 Fiscal Year Annual Research Report
as-トリアジンポリハロ体の合成中間体としての活用を指向する位置選択的反応
Project/Area Number |
05671738
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山中 宏 山形大学, 教育学部, 教授 (40004551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今野 昌悦 東北大学, 薬学部, 助手 (10006348)
阿部 昭吉 山形大学, 教育学部, 教授 (00006884)
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Keywords | ヘテロ環化学 / 5,6-ジクロロ-as-トリアジン / パラジウム触媒反応 / 求核置換反応 / 位置選択的置換反応 / 縮合ヘテロ環合成 / 医薬品化学 |
Research Abstract |
(1)基礎的検討の結果、as-トリアジンの5、6-ジクロロ置換体においては、5-位の反応性が圧倒的に大きく、求核反応のみならず、遷移金属錯体触媒についても、5-位に選択的な反応を起こす事が可能との実験結果を集約することができた。 (2)上記検討の合成化学上の展開として、以下に示すチエノ、フロ、ピロロ[3、2-e]トリアジンの環合成を確立した。まず5、6-ジクロロ体にPd(PPh_3)_2Cl_2触媒存在下の末端アセチレン化合物とのクロスカップリング反応を行うと、5-エチニル-6-クロロ置換体が選択的に生成する。次いでこのものにRO^-,HS^-,RNH_2等の求核試剤を働かしてから、適当な条件で閉すると、目的の縮環体が得られる。これらの縮合環はいずれも新規な環系であり、新しい医薬品の探索合成における有用性が期待しうるものである。 (3)一方、先に単純求核反応をおこない、5-位にO,S,N等のヘテロ原子を導入してからカップリング反応を行い、逆型閉環体である[2、3-d]トリアジン環を構築する方法も開発した。 (4)電気化学的基礎研究は予定の項目を検討する過程で、データのばらつきが大きく、今後の方向性を明確に打ち出すことができなかったので、次年度に再挑戦する予定である。ただし、有機化学的代がえ手段として、5、6-ジクロロ体にNH_2NH_2を反応させた後、トシル化を経て5-位のクロロ基のみを選択的に除去する方法を確立し得た。 (第2、第3項目については、投稿論文作成中)
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