1994 Fiscal Year Annual Research Report
急性反応期におけるα1-マイクログロブリンの血中動態変化とその機序の解明
Project/Area Number |
05671929
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
河合 忠 自治医科大学, 医学部, 教授 (60048957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 喜久 自治医科大学, 医学部, 助教授 (20129026)
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Keywords | α1-マイクログロブリン / インターロイキン6 / IgA / アミロイドA / α鎖病 |
Research Abstract |
α1-マイクログロブリン(α1-m)は分子量約3万ダルトンの糖蛋白質である。血中では本来の低分子型およびIgAと1:1モル比で結合した高分子型がほぼ同率で存在する。本来は高分子型α1-mの動態変化・存在様式をα鎖病をモデルに検索した。また前年度の臨床研究に関連して急性相反応性物質である血清アミロイドA(SAA)の評価検討、および、インターロイキン6(IL-6)添加肝細胞培養系の実験を行った。 1)α鎖結合性α1-mの存在様式:疾患活動性の高いα1鎖病では、血中α1-m濃度は約70mg/lと高値であった。ゲル濾過法により患者血清を分離し、各フラクション中のα1-m濃度を測定、分布状態を検索すると、本来50%を占める低分子型は全く存在せず、全て高分子型で占められていた。しかし、健常者に認められるIgA結合型高分子型に比べ、分子量が低い約11万ダルトン当りに最高ピークがあり、異常構造α鎖結合α1-mの存在が判明した。Western blotting法により、異常構造α鎖は分子量4万のFcα鎖産生形質細胞にはα1-mの局在は証明されなかった。 以上より、α1-mは肝細胞から、α鎖あるいはIgAは形質細胞より独立して産生され、生体内の組織で結合産生されるものと推定される。高分子型α1-mはα鎖あるいはIgA濃度に依存し、恐らく一定の比率でIgAと結合が起り、α鎖においてはその構造特性から比較的結合が容易と思われる。 2)SAA測定法の評価:本邦で初めて確立された酵素免疫測定法は、精度・再現性・希釈直線性もいずれも満足できる結果で、基準範囲の確立・生理的変動を検索した。 3)IL-6の添加実験:IL-6を、α1-m産性肝癌細胞株(CHc-4)に添加培養した。IL-6は産生をやや抑制する結果で、臨床データと矛盾する結果で、今後の検討が必要とされる。
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Research Products
(1 results)