1993 Fiscal Year Annual Research Report
小児白血病患者における日和見感染経路の解明とその防御対策に関する研究
Project/Area Number |
05671942
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土井 まつ子 岐阜大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00155615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
前野 浩子 岐阜大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60252152)
玉田 章 岐阜大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50252151)
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Keywords | 日和見感染 / カンジダ酵母 / 核型 / 電気泳動 / 染色体 / DNA |
Research Abstract |
我々はこれまで、パルスフィールドゲル電気泳動法によって多数の研究室保存株や臨床分離株の染色体核型の解析を行い、カンジダ属酵母の同定法を確立してきた(Iwaguchi et al.,1990:Doi et al.1992)。これらの基礎的な検討の後に、病棟に入院中の小児白血病児におけるカンジダ酵母の保有について実態調査を計画した。本年度の研究は、当初の予定通り、免疫不全状態にある患者とその家族、医療従事者からカンジダ酵母を分離できたので、染色体電気泳動を行なった。分離した株の染色体電気泳動核型及び、制限酵素SmaIによる切断パターンを調べた。その結果、制限酵素SmaIによる切断パターンは、個人に由来する菌株を識別するのに有効であることを示した。さらにアイソトープで標識したDNAプローブによってハイブリダイズさせた実験においても、制限酵素切断パターンの結果と同様の結果が得られ、SmaIパターンの有効性が確認された。 次に、今回調査した数症例について、臨床経過と菌の検出時期との関係を調べ、患者から分離された菌株の由来を解析した。患者が免疫不全状態に陥った時期に、母親から患者へと菌の移行が推測された症例を見出した。この結果は、母親から患者へ菌株が移行するという感染の経路を示唆していた。また、母親とは別の菌株が患者から分離される例もあり、感染経路にはいくつかのパターンがあることが推察された。今後さらに多数の臨床分離株を解析し、感染経路を明確にすることが必要である。
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Research Products
(1 results)