1993 Fiscal Year Annual Research Report
老人病院におけるMRSA院内感染防止マニュアル作成について
Project/Area Number |
05671952
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Research Institution | Ainogakuin College |
Principal Investigator |
辰巳 恵子 藍野学院短期大学, 看護学科, 講師 (20188270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 芳武 藍野学院短期大学, 看護学科, 教授 (80079730)
赤澤 彌子 藍野学院短期大学, 看護学科, 教授 (50184081)
宮田 久枝 藍野学院短期大学, 看護学科, 講師 (70249457)
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Keywords | MRSA / 老人病院 / 院内感染防止マニュアル |
Research Abstract |
MRSA感染症は,長期入院患者,高齢者や免疫能の低下している患者に多発している。老人病院では,これらの易感染患者が多く入院している割合が高い。そのため老人病院内のMRSA汚染状況を把握する必要があり,今年度事前調査をした。 1.老人病院の中より3病棟を選び,各病棟の入院患者35〜50名および各病棟勤務の看護婦(士)8〜12名の手掌および鼻腔のMRSA汚染状況を検査した。その結果,患者からのMRSA分離率は,手掌から6〜10%,鼻腔から10〜16%であった。患者からのMRSA分離率に幅が見られるのは,病棟により入院患者の状態の違いによると考えられる。例えば,歩行可能患者より臥床患者が,また,手袋着用患者・拘縮者の方がMRSA分離率が高く,これらの患者が多く入院している病棟ほど分離率が高くなるためである。同時に,病棟看護婦(士)の手掌について,看護業務終了直後とその手洗い後に,一般細菌数とMRSAの検査をした。予想した通り,看護業務終了直後では,多種多様な一般細菌数も多く,一部の被検者からMRSAが分離された。手洗い後では,多くの被検者が一般細菌数もMRSAも減少あるいは皆無となった。 2.各病棟内の床および廊下の80〜140箇所を検査した結果,MRSA分離率は5〜10%であった。 これらの結果を基にして,看護業務の改善(手洗いの励行・MRSA保有患者の準隔離・各病室専用の器具類の設置など)および消毒剤による環境の清浄化を行うことにした。さらに,平成6年度は病室・環境の検査を3〜4か月毎に行い、季節によるMRSA汚染状況を把握し,老人病院に適したマニュアルの完成を目指す。
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