1993 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ“あがり"と体液セロトニン代謝系との関連について
Project/Area Number |
05680096
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
長尾 愛彦 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50040522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 幸一 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (20141161)
平田 文夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (20108286)
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Keywords | セロトニン / 体液 / スポーツ / あがり |
Research Abstract |
近年、スポーツマンの試合における“あがり"の問題が大きくクローズ・アツプされ、心理学的研究やカテコラミンなどの、代謝との関係が精力的に追究されているが、神経伝達物質のなかでも、大きなウエイトをしめるセロトニンの代謝との関係はほとんど追究されていない。 体液中、とくに尿中にセロトニン代謝産物を分離定量することにより、連動とストレスや“あがり"との関連を解明し、“あがり"の防止の一助とする。 セロトニンの代謝の様態を非観血的に研究するために、尿中のセロトニンの分離については、すでに1988年にイオン交換クロマトグラフィーによる分割定量をこころみたが、操作が繁雑であつた。そこで、平成5年には、高速液体クロマトグラフィーを用いて分離されたサンプルをECデテクターにより測定する条件の設定を試み、その方法を尿中セロトニンの排出量、排出リズムならびに、試合前後について、それぞれ測定し、平日に比べ、試合当日においては有意なセロトニンの排出量が低下するという結果を得たので、第42回九州体育学会において、その成果を報告した。 平成5年度中に、5-ヒドロキシトリプタミン(5HTP)、および5-HIAAの尿中のセロトニンの主要な代謝産物の分割・定量を計画していたが、前処理において、5HTP,5-HIAAは他のフラクシヨンに抽出されるという、予期しない結果となつた。それ故に、平成6年度以降には、尿の前処理法に改良を加えるなどの対策を施して、セロトニンの代謝系についての研究を続ける予定である。 また、セロトニン代謝量とSTA調査との関係から、“あがり"のトレーニング効果についても生化学的な代謝面から追究する予定である。
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