1993 Fiscal Year Annual Research Report
筋グリコーゲン備蓄の充足度と運動に伴う筋たんぱく質分解の動態
Project/Area Number |
05680097
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
萩原 純雄 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (50041348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 文夫 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (20108286)
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Keywords | 3-メチルヒスチジン / 筋たんぱく質 / HPLC / クレアチニン / 尿 |
Research Abstract |
筋たんぱく質分解後、遊離した筋たんぱく質構成アミノ酸の3-メチルヒスチジン(3-MH)は分解を受けず、また再利用されることもなくそのまま尿中に排泄される。従つて、尿中3-MHの排泄量は筋たんぱく質分解の指標となる。一方、筋中にはアンセリンの前駆体として1-メチルヒスチジン(1-MH)も多量に存在することから、運動に伴う筋たんぱく質の分解とは無関係に尿中に排泄されることも考えられ、尿中の3-MH,1-MH及びヒスチジンを分離・定量する必要があった。また、筋量に比例して尿中に排泄されるクレアチニンは、筋量に対するたんぱく質分解率の指標ともなる。 以上のことから、尿中3-MH,1-MH、ヒスチジン3者の分離・定量及びクレアチニン排泄量の定量をHPLCを用いて行なった。担体としては、オクタデシル(C_<18>)基をシリカゲルに結合させたTSKgelODS-80TM(4.6mmID×25)による逆相分配クロマトグラフィーが、3-,1-MH及びヒスチジンの分離に最適であり、同担体で移動相を交換するだけでクレアチニンにも適用出来た。 前処理後、HPLCによる3種のヒスチジン分離のため、溶離液として酢酸Na buffer(A)とメタノール(B)或いはアセトニトリル(B)など種々な条件でグラデイエントを試みたが、結局は40%メタノールにより目的の3-MHと、1-MH他全てのアミノ酸を一試料25分で完全に分離・定量出来た。3-MHのみで作成した標準曲線と尿付加のそれとは一致し、前処理後5時間の室温放置で50%弱は分解した。一方、AG50W-X12による前処理後、クレアチニンの溶出液として10%メタノール加酢酸Na buffer(PH 4.7)により一試料12分で定量的に溶出し、これにより標準曲線を作成した。これらの測定法によって作成した両標準線は、再現性に優れていた。
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