1993 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校の教育における教科理解のための補助日本語教材の開発・研究
Project/Area Number |
05680242
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
羽田野 洋子 慶應義塾大学, 国際センター, 助教授 (90164855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50112694)
山崎 信寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70101996)
安藤 寿康 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (30193105)
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Keywords | 教科理解 / 教科別漢字 / 教科別語彙 / 補助日本語教材 / カリキュラム |
Research Abstract |
高等学校における教科理解のための補助日本語教材の作成のために,今年度は下記の二種の調査・分析を行った。 1)ニーズ分析 高等学校において日本語教育を必要としている生徒の実態を把握し、「目標言語」を明確にするため,カリキュラム調査・日本語教育を必要とする生徒を主に指導する教諭への調査・教科活動調査を,アンケートおよびインタビューにより行った。今年度は問題点の明確化のために,東京都を対象に予備調査を行った。来年度はこの結果を踏まえ,全国規模で調査を行う予定である。また,学校教育内での日本語教育としてはすでに実績のある小学校における日本語教育についても調査を行い,参考とした。それらの結果,通常学習者は日常会話レベルの日本語力では問題はないが,教科理解(読み・書き)のためには日本語力が不足しており,「教科理解のための日本語教育」が必要であることが明らかになった。しかしながら,教科理解のための日本語教育という視点からのカリキュラム・日本語教材は現状ではほとんどないことも明らかになった。 2)高等学校の教科書の漢字・語彙・表現の分析 今年度は地理歴史,公民,数学の漢字・語彙について分析した。その結果,各教科ごとに出現頻度の高い漢字・語彙が異なり,教科により特徴があることが明らかになった。これを基に今年度は,教科別出現頻度順漢字・語彙リストを作成した。このリストを基に日常会話レベルでは出現しない教科特有の語彙を体系的に取り込んだ補助日本語教材の作成を来年度行う。
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