1995 Fiscal Year Annual Research Report
流体方程式に基づくコンピュータビジョン-表面流像および投影X線像からの3次元流れ場再構成-
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05680293
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Research Institution | FUKUI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡崎 耕三 福井大学, 工学部, 教授 (90032276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 進一 大阪大学, 医学部, 教授 (30029540)
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Keywords | コンピュータビジョン / オプティカルフロー / 物理モデル / 3D復元 / ナビエ・ストークス方程式 / 速度場のシンボリック記述 / 血流 / カルマン渦 |
Research Abstract |
(1) 流体方程式は非線形であり、境界道の条件下において解を安定に求めるには、工夫が必要である。円筒状管内流および渦流を対象として、オプティカルフローの基本方程式による画像からの拘束の重みが比較的強い状態で評価関数をスタートし、重みを徐々に弱めていくことにより、流体モデルに合致した速度分布を安定に算出できた。 (2) フロー場から記号記述を得る新しいモデルと新しいアルゴリズムの開発を行った。まず、流体方程式(ストークス流)からモデルを導き、そして、相流と渦流を検出するアルゴリズムの提案を行った。このアルゴリズムはいままでの研究では用いられていなかった複素正則関数の理論に基づいていることを示した。この手法では、フロー場からの質的な情報ばかりでなく、量的な情報も獲得できることを示した。 (3) 血管のX線造影画像系列から血流速度場を推定し、速度場の拘束式を解くことで速度場の特徴抽出を行う手法の開発を行った。本手法では、血管中の造影剤の移動に伴う画像明度の変化を情報とし、画像情報と速度場の拘束式を解くことで血流速度場の推定を行っている。本手法をDSA実画像系列に適用し、血流の速度場推定を行った。 (4) Karman渦は日常的に非常に多く生ずる渦である。流体方程式の拘束条件をエネルギー関数として繰り込み不完全な境界条件の基で表面流の画像からの速度場を従来法よりも精度良く推定できたばかりでなく、オクルージョンなどでデータが欠落した場合でも精度良く推定できることを示した。これは従来のオプティカルフロー法にない特長である。 (5) 3次元速度場について流体方程式を拘束式としてエネルギー関数に組み込んで内部流ばかりでなく、欠落データーがある場合でも精度良く速度場の推定が可能になることを示した。これは従来法に全くない特長である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 猪股、岡崎、田村、中島: "Karman渦の物理モデルによるオプティカルフロー" 平成7年度電気関係学会北陸支部連合大会. 448 (1995)
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[Publications] 中島、野川、佐藤、田村、内藤、武木: "X線造影画像からの血流速度場推定と特徴抽出" 電子情報通信学会技術報告. PRU95-46. 73-80 (1995)
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[Publications] 野川、中島、佐藤、田村: "物理モデルに基づくフロー場の記号記述の獲得" 電子情報通信学会技術報告. PRU94-111. 31-38 (1995)
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[Publications] 猪股、岡崎、中島、田村、鳥井: "物理モデルに基づくコンピュータビジョン-流体方程式のMathematica言語展開による窯業流速場推定-" 平成6年度電気関係学会北陸支部連合大会. 402 (1994)
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[Publications] 中島、野川、佐藤、田村、岡崎: "流体方程式に基づくオプティカルフロー計算" 画像の認識、理解シンポジウム. MIRU94. 271-277 (1994)
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[Publications] 中島、岡崎、田村: "流体方程式を用いたDSA投影画像による血流速度推定" 平成5年度電気関係学会北陸支部連合大会. 328 (1993)